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パラスポの魅力を発信!全国舞台でも光った 得意のドリブル 知的障がい者サッカー 池田陽南

得意のドリブルを武器に、全国で爪痕を残した。知的障がい者サッカーの池田陽南(高校3年)は6月、長野県選抜の一員として全国障害者スポーツ大会 北信越・東海ブロック予選に出場。初戦は岐阜に0-6、3位決定戦は三重に1-6といずれも大敗したが、三重戦で貴重なアシストを決めた。

 長野市出身、飯綱町育ち。小学4年から中学までFCいいづなでプレーした。中学卒業後は、その年(2020年)に新設されたボアルース長野U-18に入団。フットサルに転向して「自分に合っていた」と言うが、練習に通う負担が大きく、志半ばで半年後にチームを離れた。
 その後はチームに所属しないまま練習に励み、昨年10月に知的障がい者サッカーチーム・アップルFCへ入団。競技の入り口である『チームメキメキ』と、競技志向の強い『チームガチガチ』の両方に参加している。百瀬正久代表は「彼はサッカーがうまいし、周りの人をケアする優しい心の持ち主。チームメキメキのみんなは彼を見て真似したり、教わったりしている」と話す。
 一方のチームガチガチでは、県トップレベルの選手たちと切磋琢磨しながら競技力を向上。全国障害者スポーツ大会の長野県選抜には、アップルFCから池田も含めて6人が選ばれた。
 自身にとっては初の全国舞台。初戦で岐阜に0-6と敗れ、続く3位決定戦でも三重に6点リードを許したが「無得点で帰りたくはなかった」。終盤にサイドでボールを受けると相手DFを次々とかわし、ラストパスで味方のゴールをアシスト。「トップ下のポジションに入って、あまりサイドに流れないよう言われていた。たまたまサイドでボールを受けて『これはもう行くしかない』と思った」と振り返る。


 現在は高校3年生。半年後に卒業を控えるが、「サッカーは大好きなので続けていきたい」と話す。2028年には全国障害者スポーツ大会が長野県で開催。百瀬代表は池田に「長野県選抜はまだまだ力が足りないので、それを引っ張ってくれる存在になってくれれば」と期待を込める。本人も「出られるなら出て活躍したい。サッカーを楽しめば、おのずと結果もついてくる」と出場を視野に入れている。
 憧れの選手はネイマール(ブラジル)。練習からエラシコやヒールリフトを披露し、常に遊び心を忘れない。「自分のドリブルからたくさん点を取って、チームを勝たせられれば」。そう語る表情は、自信に満ちあふれていた。

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(担当 百瀬)

取材・撮影/田中紘夢