プロスポーツ

いざ勝負の終盤戦へ       昇格争いの前線を目指して

終盤戦に差し掛かっても、難しい状況が続いている。J3松本山雅FCは9勝8分10敗(勝ち点35)の9位。J2昇格プレーオフ圏内(6位)までは勝ち点差9まで離されている。リーグ戦残り11試合の段階。シーズン大詰めで、5連勝フィニッシュで4位に滑り込んだ昨季以上のラストスパートをかけられるか。
 成功すれば、〝奇跡的な大逆襲〟とも言える。ただ、その実現に向けて好材料はある。例えばJ3第27節・アスルクラロ沼津戦だ。序盤から球際の争いなどで上回って主導権を握る。相手の戦力分析もハマり、弱点を突く形でMF村越凱光が先制弾を決めた。

 最終ラインのDF高橋祥平がロングフィードを入れると、右サイドのDF樋口大輝が相手DFに競り勝ってヘッドでパス。村越がゴールを射抜いた。高橋が持ち味とする精度の高いキックと、樋口が備える打点の高いヘディング、そして難しいボールを思い通りの位置に置けた村越のファーストタッチ――。それぞれのクオリティも伴うファインゴールだった。
 そしてシーズン途中に加入したFW林誠道の存在が大きい。180cmのサイズを生かして前線でボールを収めるだけでなく、ラインブレイクをしたりクロスのターゲットになったり。実際に沼津戦では後半、裏に抜け出してから冷静に2点目を決めた。加入後5試合で2ゴール。「無失点でいけたことと2点取れたことは次に向けてチームとしてプラスだと思う」と息をついた。

 さらに、長期離脱していたケガ人も続々と戦列に復帰。ともに3月1日の奈良クラブ戦で負傷したFW安藤翼とGK西村遥己が、長いリハビリを経て戻ってきた。9月18日現在でまだピッチには立っていないが、総合力の厚みを増しているのは確かだろう。

 こうした要素を追い風にしながら、したたかに勝ち点3を積み重ね続けられるかがカギ。沼津戦の1週間前に行われた栃木シティFC戦では、幸先よく先制した直後に致命的なミスを連発して逆転負けを喫した。副キャプテンの一人でもあるGK大内一生は「毎回『次につなげなければ』と簡単に言うけれど、こういう試合をしていてはダメ」と厳しい面持ちで振り返っていた。

 「限られた時間の中でやれることを修正するしかない。しっかりと前を向いてポジティブにやっていくことが重要だと思う」とベテランDF小川大貴。ルーズさを排除し、警戒を解かずに戦い抜く――。そうした組織作りを徹底し続けることで、光明は見えてくる。

取材/大枝令