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【開智サッカースポーツ少年団】サッカーを楽しもう!! 子供たちの長所を伸ばす

今年で創立40周年の節目の年を迎える松本市の開智サッカースポーツ少年団(開智SSS)。小学1~6年と、下部組織となる園児クラスの「ありんこキッズ」を含めて総勢約90人の子供たちがボールを追いかけている。練習中の子供たちの表情は生き生きとしており、グラウンドにはみんなが本当にサッカーを楽しんでいるという光景が広がる。

 クラブの方針は「長くサッカーができるように」という思いから、まずはサッカーを楽しむことに重きを置く。そのために、長岡忠二代表は「勝敗にこだわらないわけではないが、まずは個人技術を磨いていきたい」と語る。「ゴールデンエイジ」と言われる運動能力が伸びる年代に、「止める」「蹴る」といった基本的な技術に始まり、危機を察して動けるための考える力などを伸ばしていきたい考えだ。

 開智SSSはサッカースポーツ少年団の中では大所帯。それでも、少子化やスポーツの多様化などの影響で、一時期に比べてサッカーを選択する子供たちが年々少なくなってきているという危機感がある。底辺拡大の重要性を指摘し、「サッカーだけでなく、スポーツ全般を楽しく続ける土台づくりができれば」と展望する。単一競技の能力を伸ばせばいいという考えになりがちだが「子供たちそれぞれの長所を伸ばすサポートが重要」と長岡代表。身体能力だけでなく、思考力なども伸ばすことで「社会に出ても役立つ力を身につけさせたい」と語る。

 選手同士もさることながら、親同士の交流も盛んで、広くコミュニケーションが図られているのがこのクラブの特長。子供たちが伸び伸びと力を発揮できるように、クラブ内に「家庭的な雰囲気」が自然と形成されている。
 節目の年となる今季は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中断してきた遠征や交流事業に力を入れていきたい考えだ。遠征では県外の強豪チームと対戦。「子供たちにとっていい刺激。自覚を持って動けるようになる」というメリットがある。交流事業もさまざまで、県内他地区のチームに加え、地域やOB、親子など幅広い人たちと交流を楽しむ催しが盛りだくさんだ。子供たちが多くの経験を積める場を提供することは、気づきの促しにもつながる。

 練習日は土曜日と日曜日で、松本市の開智小学校や田川小学校、丸ノ内中学校のグラウンドで汗を流している。練習体験の希望者も随時募集しており、チームのスタッフは「一緒に楽しもう」と呼び掛けている。


【長岡忠二代表】
個人の技術をしっかりと身につけてほしいという思いで指導をしています。サッカーを通じて子供たちをしっかりと育てていきたい。将来、プロになるような選手が出てきてくれるとうれしいです。