サッカーという競技を通じて、人としての成長を──。豊科南サッカークラブの大蔦章司代表と藤村滉監督をはじめとするスタッフ一同の願いだ。小学1年生でチームに入り、9年間サッカーを続けてきたキャプテンの大蔦一輝は「礼儀や精神力といった社会に出てから必要になることを身に付けることができた。キャプテンとして人前で話す機会を得たことも、コミュニケーション能力の向上につながったと思う」と自身の成長を実感する。

ジュニアチームが地域に根付いたのは約40年前。4年前にジュニアユースチームを立ち上げ、未就学児から中学3年生までを1チームとし、一貫した指導を行っている。
現在はジュニアユースの地域移行が一段落し、次のフェーズに突入。「地域移行後も、保護者の方の負担をなるべく減らしながら、強いチームを目指していきたい」と大蔦代表は語り、初心者も含めて幅広い子どもたちがチームに入れるようにとスポンサーを募るほか、指導陣をスタッフ、保護者をサポーターと呼ぶことで、指導者、保護者、そして地域全体で子どもたちを支える仕組みを構築しているという。

そのため指導では「サッカー選手というよりも、人間を育てているという意識を持っている」と力を込める。「挨拶や礼儀といった生活面への指導を行うことで、人として成長もできるようなクラブでありたい」と願い、チームを支える人々に「応援されるようなチームになってほしい」とのスローガンを掲げる。
練習では基礎練習のほか、ゲーム中に起こり得るシーンを想定した実践的なトレーニングを取り入れる。子どもたちの意志を尊重した指導を心がけているという藤村監督は「ボールを大事にして攻撃できるところがチームの強み。簡単にボールを奪われず、速いゲーム展開の中でも個人のテクニックを生かすことができる。さらに周囲を見て判断する力も養われていると思う」とチームを評価する。


その強みは実践でも生かされている。新人戦安曇野市中大会で優勝。中信2部Bリーグは惜しくも昇格圏内には届かなかったものの、8チーム中第4位と健闘した。
リーグ戦最終節の明善中との一戦は、勝てば昇格、負けたら残留というギリギリの戦いだった。結果は0─3で惜しくも昇格には届かず。しかし「緊張感のある戦いだったけれど、そこでも自分のパワーを発揮できたことがすごく印象に残っている」と成瀬澪慧は胸を張る。
次期キャプテンとしてチームを牽引する奥原天亮は「負けてしまったことはとても悔しかった。それでも来年は絶対に昇格しようという強い気持ちを持つことができた」と来シーズンを見据え、力強く意気込みを語った。

【監督 藤村滉さん】
子どもたちには、誰にも負けないような武器、自分なりの良さを見つけて、社会で活躍してほしいと願っています。そして大人になってからも、自分が小学生から今までサッカーを続けてきたように、何らかの形でサッカーに関わってくれると嬉しいです。
【3年キャプテン 大蔦一輝さん】
自分は今年でチームを引退しますが、後輩たちへ伝えたいのは、サッカーをずっと好きでいてほしいということです。チーム一丸となって進んでいくためにも、これからチームを率いていく選手の背中を見て、しっかりとついていってあげてほしいと思います。
【3年副キャプテン 成瀬澪慧さん】
後輩のみんなには、サッカーを通してぜひ心の面も磨いて、これからの人生のために必要なことを身に付けてほしいと思っています。自分は高校でもサッカーを続け、将来はサッカーで学んだことを伝えられるような仕事に就きたいと思っています。
【次期キャプテン 奥原天亮さん】
来シーズンのチームの目標は、リーグ戦では1部昇格、県大会ではベスト8以上です。そのために、プレーヤーもサポーターも楽しいと思えるチーム作りを目指します。将来の夢は、自分が指導者としてこのチームに戻り、チームに恩返しをすることです。
【代表 大蔦章司 さん】
部活動の地域移行により、サッカーを続けることを諦めてしまうのではなく、幅広い子どもたちが競技を継続できるようなチーム運営を目指しています。また、サッカーの技術だけでなく、生活面や栄養面などの指導を行うなど、人としての成長も重視しています。

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取材/児玉さつき
