高校スポーツ

【諏訪清陵高等学校テニス部】  25年ぶりの快挙 刺激を胸に次世代へ

エースの活躍に呼応するかのように、チーム全体が奮起して快挙をつかんだ。諏訪清陵高テニス部は、6月上旬に行われた県総体の男子団体戦で25年ぶりの準優勝。就任4年目の傳田佳史監督のもと、北信越大会出場という目標を成し遂げた。

 団体戦はダブルス1組、シングルス2人が出場し、先に2勝したチームの勝利。主将の北澤開が第1シングルス(S1)を務めた。指揮官が「彼の力が大きかった」と評する3年生は、準決勝までの3試合で全勝。それに勢い付けられたS2の竹内輝樹(2年)も「せっかくS1が取れるので自分もあと1つ取りたい」と奮闘し、チームは決勝へ勝ち進んだ。
 決勝では松商学園に0-2と敗れたが、3位以内が出場できる北信越大会へ。初戦で富山中部と対戦し、「ダブルスは相手のほうが技術的に上だったが、県大会で自信をつけて自分たちのプレーを引き出せた」と傳田監督。3-0と快勝し、2回戦まで駒を進めた。
 北澤は個人戦でも県大会3位に入り、インターハイへ進出。1回戦で山田矢音(東京・東海大菅生)に0-6と敗れたが、チームを代表して勇敢に戦い抜いた。中学時代も茅野東部で県4強の成績を残した実力者。指揮官は「高校の3年間でさらに成長して、緊張する舞台でも100%で戦える力をつけてくれた」とねぎらった。
 総体を終えて3年生が引退し、現在は1、2年生の男女約30人で活動している。主将を務めるのは「北澤先輩に憧れて入部した」という竹内。絶対的エースから大役を引き継ぐ重圧も少なからず感じているようだが、「清陵の名を落とさないように上を目指したい」と意気込む。
 男子は2年連続の北信越大会出場が大きな目標。一方、女子は県大会出場を目指している。7月22日現在で8人と人数こそ少ないが、「育て方次第では県大会で勝てるチームも作れるのではないか」と傳田監督。男女ともに諏訪清陵の名を知らしめようと、日々練習に打ち込んでいる。



 「どこを直したら良くなるのか、なるべく全員に声をかけるようにしている。個人だけでなくて全員でうまくなっていきたい」と竹内主将。指揮官も「先輩たちが実績を残してくれたので、なおさらうまくなりたい気持ちが強い」と選手たちの向上心を感じ取っている。絶対的エースが去った今季、新チームのカギとなるのは一体感。来夏に再び歓喜の瞬間を迎えるための戦いは、すでに始まっている。

竹内 輝樹 主将

傳田 佳史 監督

取材・撮影/田中紘夢