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【筑摩野サッカースポーツ少年団】サッカーに深く向き合い 全国を目指す“雑草軍団”

激戦区・松本で奮闘する“雑草軍団”が、復権へ力を注いでいる。1971年に設立された筑摩野サッカースポーツ少年団。全日本U-12選手権大会長野県大会で6度の優勝を誇り、今年5月にはチラベルトカップで準優勝を果たした。
 首藤優和主将は「すごく明るいし、みんなが全力でサッカーに向き合っている」と話し、集大成の舞台で全国切符をつかみ取るつもりだ。

 今年の6年生は11人。「エースという存在はいない」と里見秀明監督は言うが、「みんながエースになり得るし、よく話を聞いてチャレンジしてくれる」と選手の姿勢を称える。自身は松商学園高出身で、チームでの指導歴は15年目。これまで多くの選手を見守ってきたが、「指導者のアドバイスを真剣に聞き、全員がすぐに取り入れてやろうとする。こんな学年は初めて」と舌を巻く。



 練習では技術や戦術を重んじるが、最も目を引くのは左利きの多さだ。11人中4人がレフティーで、首藤主将もその一人。県トレセンにも選出経験のある司令塔で、左足から長短のパスを繰り出す。主将としては「しっかりとしているタイプではない」と謙遜しながらも、今季のチームについては自信もにじませる。
 ただ、チラベルトカップは「みんなで頑張って決勝まで行けたけど、最後はもっと頑張れればよかった」と首藤主将。準々決勝でLaule FCに4-3、準決勝でアンテロープ塩尻Aに0-0(PK 4-3)と接戦を制して決勝へ。しかしF.C.CEDACに0-5と大敗し、悔し涙をのんだ。「まだまだうまいチームではないが、できることもたくさんある。それがCEDACを相手に出せなかった」と指揮官は振り返る。
 そのチーム力を武器に狙うのが、全日本U-12選手権大会長野県大会のタイトルだ。昨季は2回戦でアルティスタ浅間Aに0-4と敗れ、早々に姿を消した。それでも「去年のことは考えずに自分たちのことを一生懸命やるだけ」と里見監督。チームは学年ごとにカテゴリーを区切っており、選手の入れ替わりもあってフレッシュな気持ちで臨む。1年からチームに所属する首藤は、「ゴールに結び付くような決定的なパスを出して、全国大会出場を決めたい」と力を込めた。



 F.C.CEDACや松本山雅FC U-12、フォルツァ松本など強豪がひしめく地域で、雑草魂を胸に上を目指している。約50年の歴史の中でJリーガーを1人輩出し、東京ヴェルディユースや松本山雅FC U-18に進んだ選手もいるという。全国大会への切符をつかみ取り、選手たちの夢をより大きく膨らませたい。

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取材・撮影/田中紘夢