「リスペクト」の精神を重んじる。穂高南サッカースクールの齊藤紀裕代表は「仲間、相手、指導者、審判、保護者、サッカーをできる環境を整えてくれるすべての人たちへの感謝の気持ち。そしてもちろん、サッカーにやる気を持って臨み、頑張っている自分自身も大切に思う。そんな気持ちを育ててあげたい」と力を込める。

穂高南サッカースクールの発足は1979年、45年以上前にさかのぼる。齊藤代表もチームのOBで、小学4年生でチームに入り、中学、高校とサッカーに打ち込んだ。指導者としてチームに携わるようになったのは、大学卒業後、チームの練習に顔を出したことがきっかけ。「もう20年以上になる」と笑顔を見せる。
練習は、木曜と日曜の週2日。「自分が思うような動きをできるようになってほしい」と願い、まだサッカーの動きに慣れない低学年代はキッズカテゴリーとし、まずは体を動かすことからスタートする。
「体を動かせるようになったら、次はボールを使った動き、ボールを蹴ったり、投げたり、足を使ったり。ただ、高学年でもサッカーを始めたいと思ったら始められるのがスポーツ少年団の良いところ」と齊藤代表。「そのため、高学年でもまだボールの扱いが不慣れな場合は、個に合わせた指導をするように心がけている」と言い、カテゴリーごとに専属のコーチを置き、個のレベルに合わせた幅広い指導を実践する。


齊藤代表のもうひとつの願いは「サッカーの楽しさを伝えて、卒業後もサッカーを長く続けてほしい」と話す。練習の成果を試すため、安曇地区のリーグ戦やU│12サッカー選手権大会のほか、市民タイムス少年サッカー新人戦カガミカップといったローカル大会に出場するのも、「試合に出ることもサッカーの楽しさのひとつ。だから、なるべく多くの子を試合に出場させてあげたい」との方針からだ。
「楽しさを伝えたい」。その齊藤代表の願いは、子どもたちにも伝わっている。キャプテンの辻野航大くんは「サッカーをすると気持ちがすっきりする。悲しいことがあった時は、サッカーをして気持ちを晴らしている」と、サッカーへの想いを顔いっぱいの笑顔で語ってくれた。団長の上條航也くんも「サッカーの楽しさは声を掛け合って仲間と一緒にプレーすること」と、チームプレーの喜びを実感している。
取材日はくしくも年に2回ほど開催しているという親子サッカーの日。日頃は子どもたちを応援する保護者も、童心に帰り、子どもたちとともにグラウンドを駆け回っていた。これもまた、サッカーの楽しさを伝えるひとつの機会となるのだろう。

【キャプテン 辻野航大 くん】
サッカーは幼稚園の頃から興味があって、小学2年生でチームに入りました。声を掛け合うことが良いチームプレーにつながるので、声掛けは大事だと学びました。中学でもサッカーを続けて、将来はサッカー選手になりたいと思っています。

【団長 上條航也 くん】
団長として、試合で得点を取られてチームが落ち込んでしまっている時などは、特に声を出すようにしていますが、練習の時から声を掛け合わないと本番でも発揮できないので、練習から本番のつもりで声を出すように心がけています。

【代表 齊藤紀裕 さん】
試合に出場する以上は、勝ちにこだわりたいという想いもありますが、まずはサッカーの楽しさを伝えるために、なるべく多くの子どもたちを試合に出場させてあげたいと考えています。そして、より長く競技に携わってほしいと願っています。

取材・撮影/児玉さつき
