地域スポーツ

【松本大学硬式野球部】     試合は「答え合わせ」 力戦奮闘で神宮を目指す

松本大学硬式野球部は今季、関甲新学生野球連盟の1部リーグに在籍して2年目を迎える。4〜5月の春季リーグは5勝4敗と白星先行で終え、昨季を上回る4位と健闘。ただ、就任5年目の清野友二監督は「4位の成績を評価頂けることはありがたいが、負けた試合の内容を振り返ると足りないものがまだまだ多い」とさらなる成長に期待を込めている。

 10校で構成される1部リーグに、松本大は昨季9年ぶりの参戦。今季は在籍最長となる2年目に突入した。塚本強矢、和田麗温らの投手陣と小林尚真などが組むバッテリーを軸にチームを作り、投手力で粘り強く勝ち星を重ねた。
 昨季の秋季リーグでは山梨学院大に2-17、常磐大に6-13とそれぞれ大敗。しかし今回はその2校から白星をもぎ取り、指揮官は「去年勝てなかったチームにも勝利し、成長を感じられた」とうなずく。さらに全勝で1位となった上武大にも0-1のサヨナラ負けと肉薄した。
 一方、課題の攻撃は成長途上。上武大戦は継投ながらノーヒットに抑えられ、力投する右腕塚本を援護できなかった。チーム打率は.208で7位タイの数字。長打は9試合で14本にとどまり、このうち本塁打は高野海輝が関東学園大戦で放った左越え3ランの1本だけ。「打撃面では力を発揮しきれない部分がある」と清野監督は指摘する。


 とはいえ、指揮官のもとで着実に力をつけてきた。OBの清野監督はBCリーグ新潟アルビレックス時代に「日本一」を経験し、同部のコーチを経て2018年から指揮を執っている。選手に求めるのは「自ら答えを導く」こと。例えばパフォーマンスが上がらない選手でも、公式戦にいきなり抜擢するケースもあるという。そこにあるのは「問い」だ。「結果に関わらず、試合に出ることで自らの力量がわかる。やってきた練習の質や内容の答え合わせができる」と説明する。
 今後は10月頃にかけて1部秋季リーグ戦に挑む。2位以内に入れば、横浜市長杯争奪・明治神宮野球大会に出場が決まる。まずは春季の4位を上回ることを至上命題に、試合後に答えを見出せるよう練習に励む。

清野友二 監督

野球は毎日練習していく中で動きのコツを自分で掴んだ時に一気に上達します。4年間の取り組みが大学最後の試合でどんな答えになるのか想像して練習や私生活を送れるといいですね。部員達には毎日期待しかしていません。自ら上手くなろう。

小林尚真 主将(3年)

自分たちを表すなら「小粒の集まり」だと感じています。スーパースターは居ませんが、その分だけ団結力で勝負したいです。試合では常にもう一つ上を目指しながら戦います。

取材・撮影/生田和徳