地域スポーツ

【松本大学女子ソフトボール部】「笑顔の花」を咲かすべく 集大成のインカレへ

「チームとしては人間力の形成が一番。自分のやるべきことをやった上で、インカレで勝てるようになりたい」。就任12年目の岩間英明監督(スポーツ健康学科教授)率いる松本大学女子ソフトボール部は9月17日に開幕する全日本大学女子選手権(インカレ)で、3度目の全国ベスト8入りを目指している。
 指揮官は大学ソフトボールの名門・日本体育大学を卒業後、地元・静岡の中学で指導者の道を歩み始めた。2011年から松本大学女子ソフトボール部の監督に就任。文武両道を基盤に据え、大学生活の一部として競技を教え込んでいる。

 「ソフトボールだけをやるために入ってくる学生はいない。『こういう資格が取りたい』『こういう職に就きたい』と思いながら、ソフトボールも一生懸命やっている」。捕手を務める勝井そら主将もその一人で、教員資格免許の取得を目指す。持ち前のリーダーシップでチームを牽引しながら、文武ともに目標へ向かって突き進んでいる。
 チームのスローガンは「Power of Smile」。練習から笑顔を絶やさず、勝井主将を中心に活発なコミュニケーションを図る。その上で「守り勝てるチームを目指している」と岩間監督。しかし7月の東日本インカレでは、初戦で清和大(千葉)に3-4と惜敗。「相手を上回るヒットを打ちながらも、肝心なところでエラーが出て負けてしまった」と振り返る。現在は9月の全国大会に向け、守備の再構築に励んでいる最中だ。



 インカレは4年生にとって最後の舞台。勝井主将は「コロナで練習ができない期間もあったが、それでも大会をやっていただけるのはありがたいこと。悔いが残らないように、最後まで自分たちらしく戦えたら」と力を込める。目標は同大会における最高成績と並ぶベスト8。6月まで全日本大学連盟の理事長を務めていた岩間監督は「全国のレベルを見てきた中でも、このチームの実力は決して低くない。自分たちの力を出し切れば、結果はおのずとついてくるはず」と自信をのぞかせる。
 卒業後は実業団チームで競技を続ける選手もいるが、次のキャリアに進む学生が大半。そういった意味では、インカレはまさに集大成の場と言える。「どんなときもチームがブレないように、自分が一番声を出すことを徹底している。本番でも士気が下がらないように持っていきたい」と勝井主将。大舞台で培った経験は必ずや、その先のキャリアにも生きるはずだ。

勝井そら 主将(スポーツ健康学科4年)

取材・撮影/田中紘夢