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【松本大学 男子ハンドボール部】チームワークで11年振りの快挙  全国舞台でさらなる飛躍を

初心者も経験者も、チーム一丸となって躍進を続ける。松本大学男子ハンドボール部は5月の春季リーグで2位の結果を示し、11年振りの東日本インカレ出場をつかんだ。さらにチーム内から優秀選手2名に今村隼之佑(スポーツ健康学科 4年)、吉田哉輝(スポーツ健康学科 2年)の選出、得点王(吉田哉輝)の輩出という名誉も手にした。

 昨年秋に北信越2部リーグを優勝し、今春から7年振りの1部リーグへ昇格したばかり。11名の男子部員のうち6名は未経験からのスタートだといい、他のスポーツから大学でハンドボールへ転向した選手が多いのはチームの特徴のひとつ。バレーボールや野球、サッカーなど様々なスポーツ経験からの応用が利きやすく、「投げるスポーツや球技などで身体づくりをしてきた人は活躍しやすい」と経験者のメンバーは口をそろえる。

 優秀選手のGK今村隼之佑は未経験者から始めた一人で、昨年春に入部するまでは野球に取り組んでいたという。現在は肩の強さを活かして活躍し、今大会ではビッグセーブの連発でチームに貢献した。その活躍ぶりを「決められたら負ける、という場面を全部止めていた」と顧問の田邉愛子准教授(スポーツ健康学科 男子ハンドボール部部長)は賞賛。とりわけ新潟大学との最終戦では終盤に2本連続の「神セーブ」を見せて逆転を阻止し、「間違いなくMVP」とキャプテン北澤航聖(スポーツ健康学科 4年)も口をそろえた。
 同試合では最終盤にCB吉田哉輝が決勝ゴールを叩き込み、インカレ出場を決定づけるとともに通算40得点で得点王に輝いた。「意識していたわけではなかったが、シンプルにうれしい」と喜びを口にする吉田は、2年生ながらチームの司令塔を担いつつ得点を量産。北澤とともに強豪・長野南高校の出身で、「自分で攻めることもできるし、人を活かすのも得意」と周囲からの信頼も厚く、経験者としてチームを引っ張る存在だという。

 「近年は県内における松本大の認知度が高まり、良い選手が入学して来やすくなった。また、外部コーチの石原智大さんによる協力も大きい」と田邉准教授。従来の初心者歓迎の姿勢に加え、少人数ゆえの仲の良さから部員同士のコミュニケーションが活発なこともチームの強みとしてきた。そこに経験者がリードする雰囲気が加わったことで、チームワークで勝ち進む姿勢に磨きがかかっているという。8月の大舞台に向けて「自分たちの実力がどこまで通じるのかを試したい」と吉田。ひときわ熱い夏に向けて、ますます意欲を燃やしている。

取材/佐藤春香