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【松本国際高等学校女子バスケットボール部】創部7年目の快進撃  次なる目標は県制覇

 全国にはあと一歩及ばなかったが、躍進を遂げたことに違いはない。女子バスケットボールの松本国際高は、10月に行われた全国高校選手権(ウインターカップ)の長野県予選で準優勝。創部7年目にして、頂点の一歩手前まで迫った。

 6月の県高校総体では、準々決勝で佐久長聖に61-74と敗戦。初のベスト4進出はならなかった。総体を終えて3年生が引退。指揮官が「3Pシューターでディフェンス力が高く、精神的支柱だった」と評する渡邉奈月・前主将を欠き、その穴をどう埋めるかが課題だった。ウインターカップに向けて磨き上げたのは、個の力だ。

 藤松克友総監督を中心に、中学校の指導者であった実父の藤松昭彦氏(中学女子バスケットボール部監督)と、育成年代の指導に長けた圓山正明氏もコーチとして技術指導。藤森聖奈主将は「プレーの細かなところまで分かりやすく教えてくれる」と話す。
 迎えたウインターカップでは、1回戦で伊那北、準々決勝で岩村田を破り、初の4強に進出。準決勝では長野南を63-55で下し、決勝に駒を進めた。磨き上げた個の力は攻撃だけではない。藤森が「個人で守り切ることも頑張ってきた」と言うように、攻守において粘り強さを発揮してきた。


 その真価が試されたのが、決勝の佐久長聖戦だ。総体で敗れた相手に対し、いかに個の力を発揮できるか。
 しかし、一筋縄ではいかなかった。2クオーターを終えて16-37と突き放される展開。その後も差を詰めきれず、最後は45-76で敗れた。「自分たちが決めるべきシュートを決めていれば、結果は変わったと思う」と藤松監督。初の決勝ということもあり、少なからずプレッシャーはあったかもしれない。藤森は「3年生中心の佐久長聖が総体の時よりも力をつけていた」と力負けを認める。壁は高く、険しかった。
 今年は中学の女子バスケットボール部も新設され、総体は1年生のみで県大会に進出。新人戦では中信大会で優勝を掴んだ。高校との合同練習を通し、日々高いレベルで切磋琢磨している。中学1年から6年間というスパンで育てられれば、高校のレベルの底上げにもつながりやすい。
 とはいえ、後進の台頭を待つ必要はない。藤森に2022年の目標を問うと、「県大会優勝」と力強く返ってきた。大舞台を経験したいま、チームには自信がみなぎっている。ライバルに負けじと個を磨き、プレッシャーに打ち勝ち、次こそは信州の頂点をつかみ取る。

取材・撮影/田中紘夢
写真提供(集合写真)/松本国際高等学校女子バスケットボール部