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【松本ライオンズ】       全国の舞台で得た絆

 8月12日。高円宮賜杯第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの1回戦で、松本ライオンズは青森県代表・弘前レッドデビルズと対戦した。初回で1点、三回でさらに追加点を挙げ、2点リード。しかし五回表に猛攻を受けて5点を失う。それでも、選手たちは励まし合って前を向く。結果は2│5で敗れたものの、最後までチーム一丸となって全力で立ち向かった。


 結成から30周年を迎えた松本ライオンズ。松本市少年軟式野球連盟の加盟10チームから選抜されたメンバーで構成し、例年2月の発足式を皮切りに始動する。選手たちは自チームの練習に加え、平日週2回の練習に励んでいる。
 松本ライオンズの指揮を執り、今年で5年目となる伴在紀次監督は「否定せず、子どもたちのやる気の出る方向に言葉掛けを行うようにしている」と話し、選抜チームという特色も踏まえて「各自チームで教えていただいていることを基本とし、そこにプラスして松本ライオンズ独自の連携プレーや、声の掛け方、挟殺や牽制の仕方といったルールの指導を行っている」と続ける。
 今シーズンは6年生15人、5年生10人の計25人で活動。昨シーズンは6年生が少なかったことから、現6年生のうち9人は先輩に混ざって昨年の松井秀喜旗を経験している。「ベンチに入っているだけでも試合の熱量が伝わってくる。うち3人は試合にも出場しているので、緊張した場面を実際に経験しているというのは今シーズンへの強みになっていると思う」と伴在監督は分析する。

 チームワークについては「特に今年のチームは、コミュニケーションがよく取れている。次のプレーへの声掛けはもちろん、練習中のミスにも、『もっとこうした方がいい』と前向きな発言がある。会話を通して、お互いに切磋琢磨できる関係が構築できているのではないか」と評価する。
 中村豪志主将も「声掛けは大事だと思っている。エラーをしてしまったときにも、励まし合うことで気持ちが折れずに、盛り上げていけると思う」と話す。コミュニケーションをとれる関係づくりのために「通常のチームとは違って、一緒に活動する時間が限られているので、練習前の『散歩』と呼んでいる時間を使って、面白い話をしたりしてチームの仲を深めている」と五味隼副主将は続ける。

 この全国大会出場を決めたのが、6月21日・22日に松本市野球場で開催された県代表決定大会だった。2日目に行われた野沢浅間キングス(東信・佐久市)との決勝戦で、初回に3点を挙げて先制するも、その裏に4失点を喫して相手チームがリード。しかし、選手たちの気持ちが折れることはなかった。
 「県大会で勝利できたのは、エラーをしても、相手に点を取られても、全員で励ましあって気持ちを盛り上げることができたから」と五味副主将が語る通り、二回表に3点を奪取して逆転。四回にも1点を追加し、結果7│4で勝利。チームとして6年ぶり、13回目の全国大会出場を決めた。

 全国優勝の夢は果たせなかったが、流した涙の分だけ強くなる。この悔しさをバネに、秋に開催する松井秀喜旗争奪大会での北信越優勝を狙う。

【副主将 長澤怜音 くん(寿ヤングバード)※写真左】
野球をしていた兄の影響で、1年生から野球を始めました。練習試合や予選での試合、そして合宿などを通じてチームの仲を深めることができました。将来の夢は、オリンピックに出場するような、世界で通じる野球選手になることです。
【主将 中村豪志 くん(寿ヤングバード)※写真中央】
松本ライオンズでは、いつもと違うメンバーということもあって、どうやったら仲良くなれるのかを考えながら活動しています。それが学校など別の場面でも役立っていると感じています。将来は甲子園で優勝して、プロ野球選手になりたいです。
【副主将 五味隼 くん(芳川少年野球チーム)※写真右】
松本ライオンズの強みは、チームワークの良さだと思います。県大会でもその団結力を生かして、優勝まで勝ち進むことができました。将来は甲子園で注目されるような選手になって、メジャーリーグでプレーしたいと思っています。

取材/児玉さつき