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【更北中学校女子バスケットボール部】県新人戦2位で悔し涙 ディフェンス鍛え、決意のリベンジ

「当たり負けしない!」「コンタクト厳しく!」。体育館に大きな声が響く。声の主は、甲子園を目指した元高校球児の熱血漢の田中隼人先生だ。バスケットボールの経験はないが、独学で必死に学び、昨年11月の長野県中学校新人バスケットボール選手権大会で更北中学女子バスケットボール部を準優勝に導いた。

 持ち前のシュートへの意識の高さとスピードで北信地区の頂点へと駆け上がり、県大会でも順調に得点を重ね、決勝まで駒を進めた。田中先生は「コンディションをうまく調整してくれた。事前ミーティングを重ねて対戦相手を分析し、自分たちのやるべきことをしっかり確認し合った」と振り返る。弱点だったディフェンスも粘り強くやり、攻撃でのシュートにもリズムが生まれた。ただ決勝では、伊那中学に攻守ともに圧倒された。相手の厳しいマークにミスを連発。「ボールキャッチ、ディフェンスの構えやフットワーク、体力作りなど基礎をもっと鍛え直さないと…」と田中先生。大差での敗戦に泣き崩れる選手も少なくなく、「絶対リベンジ!」が合言葉になった。田中陽美主将は「県大会の準決勝までは、出だしが良くリズムに乗れた。2位にはなったけれど、決勝で悔しい負け方をしたので、日々の練習をしっかりこなして7月の最後の県大会では〝絶対リベンジ〟して北信越大会に出場したい!」と力を込める。
 メンタルの強化にも取り組む。「もっとガツガツいってもいいけれど。優しいんですよ、この子たちは。でも、試合を重ねるうちに勝負にいくような激しいプレーが増えていった」と、田中先生は目を細める。選手自身が気付いた課題を書き込む「バスケノート」を見る目にも力が入る。「私が指導し過ぎないよう、選手たちには常に〝自分で考える〟ことを伝えている。私のげきに選手たちがもっと反応するとさらに強くなるはず」と期待する。
 主力の9人の2年生は青木島6人、川中島2人、篠ノ井1人と3つのチームから集まってきた。「(優勝する)力はあるので、思いっ切り勝負にいってほしい。一生懸命やった先に成長があり、その姿は後輩や家族、地域の人たちの心を動かすと思う」。田中主将は、「みんな負けず嫌いだけれど、コートを離れると先生含めて和気あいあい」。連携のとれたチームプレーが、鍛えたディフェンスに発揮されれば北信越大会出場も近づくはずだ。

取材・撮影/斉藤茂明