寒風が吹き抜ける岡谷市長地小グラウンド。岡谷東部FCの1〜2年生メンバーはドリブルシュート、3〜4年生はパス練習、5〜6年生は対面練習に精を出し、凍てつく寒さをものともせずに夢中でサッカーボールを追いかけていた。

クラブの発足は1984年。その長い歴史の中で、チラベルトカップ準優勝や全日本U|12選手権県大会優勝などを経験してきた。OB・OGとして高知ユナイテッドSC(JFL)や飛鳥FC(JFL)でプレーしたGK丸山聡太郎や、ガイナーレ鳥取(J3)に在籍するGK寺沢優太、サンフレッチェ広島レジーナ(WEリーグ)でプレーするMF瀧澤千聖を輩出している。
5年生チームを指導する伊藤泰明コーチは「岡谷東部FC出身の選手が卒団の時にメッセージを送ってくれるし、瀧澤選手はたまに遊びにきて一緒にゲームもしてくれる。身近にそういった存在がいることは子どもたちの目標になり、励みになっていると思う」と笑顔を見せる。
現在チームには小学1年生から6年生まで52人が所属。柴田耕一代表を筆頭に指導陣も12人と層が厚く、足回りの指導が得意なコーチなど、それぞれの得意分野を活かし、全員で協力しながら指導にあたっている。

サッカーの技術向上だけでなく、自立心を養うことを重視する岡谷東部FC。「試合に行った時にも、荷物の運搬は保護者の方にお願いするけれど、テントを設置場所まで運んで組み立てるのは選手自身。もちろん、試合後の片付けも選手だけでやる」と伊藤コーチ。
練習前後の挨拶でも、集合の掛け声とともに素早く集まって、コーチに視線を向ける選手たちの姿があった。「挨拶をするときに帽子をかぶったままの子がいたら、コーチが注意する前に上級生の子がそっと声をかけて気づかせてあげている」と言い、自立の心だけでなく後輩を思いやる気持ちも先輩から後輩へと受け継がれている。
普段の練習は学年ごとに行うが、昨年12月から3月までは来シーズンへ向けての引継ぎの時期として2学年ごとの合同練習を実施。「前年にも同じ時期に合同練習を行ってみたところ、上級生から得られるものが大きかったという声があった」と伊藤コーチ。そこには40年以上の年月がありながらも、常に選手にとっての最善の方法を模索し、新しいことを取り入れていこうとする指導陣の意識の高さがくみ取れる。

その成果として5年生キャプテンの米山慶甫は「ドリブルやボールタッチがうまくなった」と喜び、6年生キャプテンの武居龍生は「ドリブルとシュートが上達した」と胸を張る。
伊藤コーチは「勝負にこだわりながらも、同時にサッカーを楽しむ気持ちを育ててあげたい」と力を込め、小学生年代だけでなく、中学、高校、社会人になってもサッカーを続けてほしいと願う。
昨季のリーグ戦は南信1部でスタートしたが、前期は結果が振るわず2部に降格。それでも「2部で絶対に優勝する」と気持ちを切り替えて臨んだ後期は6勝1敗1分けの好成績を収めて見事優勝。「優勝が決まった時はうれしかった」と武居キャプテンは目を輝かせ、「中学生でもサッカーを続けたい」と力強く語ってくれた。

【6年生キャプテン 武居龍生 くん(写真左)】
サッカーをしていた兄の影響で、小学2年生の終わりからチームに入りました。5年生からキャプテンになり、練習前の挨拶や試合中の声掛けを続けてきたことで、コミュニケーション能力が身に付いたと感じています。
【5年生キャプテン米山慶甫 くん(写真右)】
友だちに誘われて、小学3年生からサッカーを始めました。得点を決めた時がうれしいし、球際の強さには自信があります。好きなサッカー選手は三笘薫選手で、将来の夢はサッカー選手になることです。
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【コーチ 伊藤泰明 さん】
自分は中学生からサッカーを始めて、社会人になってからも続けていました。コーチとしてチームに関わるようになり、プレーヤーとは異なる難しさを感じることもありますが、技術指導と同時にサッカーの楽しさを伝え、卒業してからも続けてもらえたらと思っています。

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取材・撮影/児玉さつき
