4度目のプロテスト挑戦を7月に控える伊藤きらら。合格率わずか3%の難関に向け、「県外の高校に進学して視野が広がったように、今度はツアープロになって自分の世界を広げたい」と決意を語る。

ゴルフ好きの父親のもとで育ち、幼い頃からゴルフが身近にあった。庭の駐車場にネットを張ったスペースで物心がつく前からクラブを握り、6歳で塩尻市のアルプスショット・ゴルフ練習場のスクールに入会。指導を受けた山田清志コーチと手塚直樹コーチには「とにかくゴルフの楽しさを教えていただいた」と嬉しそうに微笑む。
中学では陸上部に所属しながらゴルフを続け、高校進学時に県外の強豪校・埼玉栄高校へ進学した。「悩みを共有したり、切磋琢磨できる同年代の仲間が少なかった長野県に比べ、埼玉栄では劣等感よりも、同じ競技に打ち込む仲間とともに歩める嬉しさの方が大きかった」と振り返る。
高校時代は関東で開催される大会にも出場。「長野県にいてもいろいろな大会には出場できたかもしれない。でもゴルフは個人競技。競技人口の多い環境に身を置かなければ知らないことも多かっただろうし、強い選手が身近にいたことで刺激も受けた」と県外進学の意義を語る。
大学進学時には、そのままツアープロを目指すか、大学へ進学してゴルフを続けるかの2つの選択肢で悩んだ。自ら情報収集に励み「ゴルフに打ち込みながら、将来に向けた視野を広げたい」と駒澤大学へ進学を決めた。
大学2年生の秋、長野カントリークラブで開催された「第36回長野県女子アマチュア選手権」で初優勝。これは高校2、3年生時の長野県グランドクラブチャンピオンゴルフ選手権大会2連覇に続く好成績だった。さらに4年時には体育会ゴルフ部女子主将として「2021年度関東女子大学秋季Bブロック対抗戦」で優勝し、来季のAブロック(1部)昇格を果たした。

初めてゴルフクラブを握ってから20年以上。ゴルフの魅力について「勝ち負けだけではない。たとえスコアが悪くても、次の試合につながる兆しが見えれば、また頑張ろうと思えるところ」と語る。「1ラウンド・18ホールの中でもドラマがあり、前半が良かったから後半もというわけではない。前半が悪くても後半の1打で挽回できることもある」
現在は各種大会へ出場しながらプレーヤーとしての活動を続け、USGTF Ⅲ ティーチング資格を取得し、子どもたちの育成にも目を向けている。
「そこへ全精神を集中させる瞬間」もゴルフの魅力のひとつだと語る伊藤さん。世界を広げる1打に、全神経を研ぎ澄ます日々が続く。

Profile伊藤きらら(いとう・きらら)
ゴルフ
1999年12月28日生まれ。塩尻市出身。塩尻西小学校から塩尻中学を経て埼玉栄高校に進学。駒澤大学時代には第36回長野県女子アマチュア選手権で優勝、女子主将として出場した2021年度関東女子大学秋季Bブロック対抗戦で優勝しAブロック(1部)昇格に貢献。現在は各種大会へ出場し、プレーヤーとして活躍。USGTF Ⅲ ティーチング資格を取得し、後進の育成にも目を向ける。
取材/児玉さつき
