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【シミズオクトベースボールアカデミー 遊ボール交流会】      スポーツを楽しむ初めの一歩 笑顔あふれる野球教室

「子どもたちが野球というスポーツを知って、長く続けていく第一歩になってほしい」。そんな願いを込めた年に一度の野球教室が4月21日、セキスイハイム松本スタジアム(松本市野球場)で開かれた。今年で10回目となる取り組み。少年野球チームからの参加者や、幼稚園・保育園から親子が集まった。

 3部構成のプログラムのうち、第2部を「遊ボール交流会」とし、遊ボール松本プロジェクトの参加園児を対象に実施。松本リトルリーグ加盟チームを対象とする第1部、松本少年軟式野球加盟チームを対象とする第3部と同じく、第2部もNPB巨人のスクール「シミズオクトベースボールアカデミー」のコーチが幼児たちの指導を担当。初めてボール遊びをする子どもやその保護者にも野球の動きを楽しめるよう工夫を散りばめた。

 両手をいっぱいに広げるコーチをまねて、同じように両手を広げる親子。「両手を、合わせて、引いて、打つ!」コーチの掛け声に合わせると、自然とスイングの動きになる。不安げにしていた子どもも次第に笑顔を見せ、一生懸命に身体を動かす。

「擬音やリズミカルな単語などを駆使し、分かりやすく簡潔に話すことで、子どもたちの関心を引くようにしている」と、アカデミーの照井健太コーチ。短時間の指導でも「聞いて、見て、まねをする」だけで、投打の動きができるよう工夫を凝らしているという。

 コーチの「やってみよう!」の声に、小さな身体でフルスイングし、的に向かって思い切り投球。

「できた!」とうれしそうに父母のもとへ駆け寄る子どもたちの姿に、「親子で何かをする機会が少なくなっているからこそ、ここで遊んだことを思い出にしてほしい」と照井コーチは目を細める。「お父さんやお母さんがそばにいると、子どもたちはチャレンジする気持ちが湧く」といい、「特に松本の親御さんたちは積極的。目がキラキラ輝いていて、子どもたちに負けないくらい楽しんでもらえる」と頬を緩めた。

 「この教室を、子どもたちがスポーツに親しむきっかけにしてほしい」と話すのは、「遊ボール松本」発起人の一人であり株式会社信州グリーンの参事を務める林謙一さん。2015年に株式会社シミズオクトと株式会社信州グリーンが提携し「信州グリーン・シミズオクトグループ」として松本市野球場の指定管理者に就任。それを機にアカデミーと連携して野球教室を開催する着想を得たことで、教室開催に至ったのだという。
 「スポーツの良さを知って、ずっと続けてもらいたい」というのが林さんの願い。「子どものうちに球場の中に入って遊んだり、ボールを投げたりする経験が、将来の夢を描くことに繋がれば。その環境を整えることが我々の仕事」と力を込めた。
取材・撮影/佐藤春香