地域スポーツ

【ウィンタースポーツ】      白馬の兄弟スキーヤー クロスカントリーに没頭

 白馬村の兄弟スキーヤーが日々成長を遂げている。小山廉斗(中学1年)と大斗(小学3年)だ。ともに小学1年から白馬南小ジュニアスキークラブに所属してクロスカントリーに没頭。県内の大会で表彰台に上り、同郷のオリンピアン渡部暁斗・善斗兄弟の背中を追うように力を蓄えている。
 廉斗は3人兄弟の次男。「2歳上の兄(長男)がクロスカントリーをやっていたので、自分もやってみようと思った」と振り返る。三男の大斗も同様に自然と競技の世界へ。シーズン中は、長野五輪の会場としても知られる白馬クロスカントリー競技場(スノーハープ)で活動している。


 オフシーズンは学校の体育館などで、競技に必要な体力や感覚を養う。「立ち幅跳びを15分連続でやったり、傘を指の上で立てたり、目をつむったままその場から動かないように縄跳びしたり…。きつい練習の次の日は、くしゃみをすると腹筋が痛くなることもあった」(廉斗)。
 白馬村の年間平均気温は9.6℃。ハードな陸上トレーニングを乗り越えてシーズンに入ると、厳しい寒さが待ち受けている。その環境で小学校6年間を過ごしてきた廉斗は、「きつくて嫌になる時もあったけど、すごく体力が上がった」と笑みを浮かべる。集大成となった今冬は、五竜とおみクロスカントリー大会の小学生6年男子3.0キロフリーで3位。同大会で1年生以来のメダルを獲ると、3月にはJOCジュニアオリンピックカップ2022に初出場し、小学男子2.5キロフリーで46人中13位と健闘した。


 弟の大斗は、五竜とおみクロスカントリー大会の小学生2年男子1.0キロフリーで優勝。昨季に続いて2連覇を果たした。「去年は転んでしまったけど、今年は転ばなかった。楽しく滑ることができた」と声を弾ませる。

 2月には北京五輪をテレビ観戦。同じ白馬村出身の渡部兄弟(暁斗、善斗)の活躍に胸を躍らせた。暁斗は平昌五輪で金メダルを獲得後、白馬南小ジュニアスキークラブに訪問。その際に廉斗は「メダルを持たせてもらった」という。地元の大先輩から度々刺激を受け、「あのレベルまで行けるかはわからないけど、できるだけ頑張りたい」と意気込む。
 今春から廉斗は中学生となり、兄弟で別々のチームで競技を続けることとなる。大斗が「お兄ちゃんと同じチームで怒られなくて済む」と本音を漏らすと、廉斗は「ちゃんと一人で行動できるようにしてほしい」と釘をさす。補い合って切磋琢磨しながら、引き続き成長を遂げるのではないだろうか。

取材/田中紘夢