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監督交代から劇的改善       土台を築いて来季へ

紆余曲折はありながらも、右肩上がりにシーズンを終えた。

 秋春制移行への移行に伴い、2月から6月までの特別大会として開催された百年構想リーグ。J2とJ3の計40チームが4つのグループに分かれて戦う地域リーグラウンドで、EAST│BグループのAC長野パルセイロは開幕から8連敗(PK戦での敗戦を含む)と苦しんだ。
 それでも第8節終了後に小林伸二監督が就任すると、勝ち星が先行して上り調子に。グループ最下位は免れなかったものの、各グループの最下位同士が激突したプレーオフラウンドの37―40位決定戦を勝ち抜き、37位で締めくくった。
 監督交代を機にチームが生まれ変わった。交代前の8試合は8連敗で、交代後の12試合は7勝5敗。1試合平均得点は「0.75」で変わらなかったが、平均失点は「2.75」から「0.92」に激減した。堅く試合を運びながら、僅差で競り勝てる試合が増えてきたのだ。

 何か特別なことをしたわけではない。サッカーの原理原則に立ち返り、凡事徹底を図ったまでだ。ただ、それが藤本主税前監督のもとで最も欠けていた要素でもある。球際で寄せきれなかったり、カウンターに対して相手よりも早く戻れなかったり――。失点後に崩れ落ちてしまう傾向も見られた。
 小林監督が就任して以降は、体の向きから立ち位置の取り方まで、守備の原則を手取り足取り落とし込んできた。その成果が実ったのが、最終盤での4連勝。4試合でわずか1失点と堅守が光り、指揮官は「しっかり守れればこういうふうになっていく」と手応えを話す。プレーオフラウンドの2試合はいずれもPK戦までもつれ込み、中4日のアウェイ2連戦で120分の死闘が続いたが、最後まで走り抜くタフさも示した。
 一方で課題もある。「守備が良くなってきている分、攻撃のところが求められてくると思う」と渡邊禅が言うように、就任から2カ月という間で攻撃に着手しきれなかった。それでも「そんなに両方いっぺんにできるようなことはない」と小林監督。今季は完全決着方式でPK戦が導入されたが、来季は従来どおりに引き分けが発生する。堅実に勝ち点1を持ち帰ることも必要で、守備から入るスタンスを変えるつもりはない。
 チームは3週間弱のオフを挟み、6月24日から再始動。8月上旬のJ3リーグ開幕に向けて、引き続き小林監督のもとで鍛錬を積んでいく。築かれた土台の上に何を積み上げられるかが、上位進出へのカギを握りそうだ。



取材/田中紘夢