パラスポーツ

パラスポの魅力を発信! マラソン 宇治正雄さん

風を感じて走り切りたい。目標はフルマラソン

「マラソンは、風を感じながら思いきり走れるところが楽しいですね。伴走は付いていてくれる人がいるので安心できます。普段の生活では杖などを使い慎重に歩いています」そう、穏やかな口調で話すのは宇治正雄さん。「暖かい時期に走ると、とても気持ちが良いですよ。今日は予想していたよりも寒くて少しびっくりしているけれど」と笑っているが「せっかくなのでこの後も走って帰ります」と、やる気を見せている。宇治さんにとって、のびのびと走れるこの時間は特別なものなのだろう。かなりのスピードで走り抜ける姿からは伴走者との間にしっかりとした信頼関係が出来上がっていることが伺える。

“全く走れないレベル”からマラソンを始めて今年で3年。「まだ10㎞程度しか走れないんですよ」と照れたような表情を浮かべている。マラソンは盲学校へ通っている時の恩師から勧められたことがきっかけで始めたのだという。体育の授業で少し経験していた為、「走ることに不安感は全くなかった」というが、最初は1500m走るのに10分以上もかかった。しかし伴走者として同行した大谷拓哉さんは「宇治さんは練習を重ねていくにつれて、走るスピードがどんどん速くなっていきましたよ」と、ランナーとして成長していることに嬉しそうに教えてくれた。

現在は2名のコーチが付いて、週2日、ストレッチも含めしっかりと練習しているという。普段から自宅でルームランナーを使って走り、努力は決して怠らない。「徐々に記録を伸ばして4、5年はかかるかもしれませんが、いつかはフルマラソンを走るのが目標ですね!まずはハーフマラソンからの挑戦ですが」最後まで柔らかい印象は変わらなかったが、宇治さん自身は強い気持ちで次なる大きな目標に向かって走り始めているようだ。42・195㎞、気持ちの良い風を感じながら思う存分走り切ってほしい。

宇治正雄さん
1969年1月30日生まれ
松本市在住
所属:信州伴走・伴歩協会