「バスケットボールを通して、技術や勝ち負けを超えた何かを見つけてほしい」。その想いを胸に宮下晴雄代表は、生徒たちに温かい眼差しを向ける。松本市東部エリアで活動する中学生対象のsuns basketball club(サンズバスケットボールクラブ)。2024年7月7日、七夕の日に発足した。
部活動の地域移行が進む中「自分がたまたま山辺中学へ赴任したこともひとつの縁。このままだと廃部になり、生徒たちがバスケットボールに打ち込む場が無くなってしまう」と危機感を募らせ、クラブの設立を決意した。
山辺中の部活動からの移行ということもあり、現メンバー21人のうちほとんどを山辺中生が占める。しかし開成中からも新メンバーが加わり、今後は清水中など近隣校からの入会も期待している。
松本市の東エリアはミニバスチームがなく、中学生になって初めてバスケットボールを始める生徒が多い特徴があるという。「練習メニューは200くらいある。その時の成長度合いに合わせて、弱点や課題を克服できるメニューを選べばいい」と宮下代表。長い教員人生の中でバスケ部の指導に携わってきた経験を生かす。
「今は3年生が主体となって動いているが、3年生の引退後は1年生や2年生の状況に合わせて、シュートやパス、ドリブルといったファンダメンタルを中心とした練習メニューに切り替える」と言い「初心者ももちろんウェルカム。大歓迎です」と笑みを浮かべる。
活動は平日4日間、土日はどちらか1日を練習日とし、練習試合のほか、中体連や松本市が主催する各種大会へ出場。取材当日は5月17日18日に開催する「第68回松本市市民スポーツ大会『春季大会』」へ向けた最終調整に汗を流していた。
松本望咲部長は「1年生の時は主にフットワークを強化してもらった。2年生からは今まで知らなかった戦術なども指導していただけたので、より一層バスケットボールが楽しくなった」と話す。「チームの目標は県大会出場。その足掛かりになるように、市民スポーツ大会で練習の成果を発揮し、上位に食い込めるように頑張りたい」と意気込みを見せる。
大会を前に宮下代表は「1本のシュートを決めるために今まで練習に打ち込んできた。ディフェンスが好きな人、ドリブルが好きな人、それぞれだけれども、シュートを決めたいという想いは同じ。ボールがリングをくぐる瞬間の喜びを、ぜひ全員で味わって欲しい」とエールを送る。
【部長 松本望咲 さん】
バスケを始めたのは中学1年生からです。試合に勝てたときや、シュートが入ってハイタッチをして喜び合えたときに、より楽しさを感じます。今年の目標は中信大会で4位以内に入り、県大会へ出場すること。高校生になっても続けていきたいと思っています。
【代表 宮下晴雄 さん】
子どもたちには、バスケを通じて大切な仲間はもちろん、笑顔、思い出、自信、練習で培った粘り強さといった自分なりの価値や成長を見出してくれることを願っています。競技を楽しい、好きという気持ちを大切に高校、大学、社会人と長く取り組んでもらいたいと思います。
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取材/児玉さつき