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【NSCT U-15BBC】それぞれが役割を果たしてプレー 昨季の経験を糧に再び全国舞台へ

2023年9月、長野県U-15バスケットボール選手権の男子決勝。NSCT U-15BBCは信州ブレイブウォーリアーズU-15に38点差をつけ、見事に2連覇を達成。全国から強豪チームが集うJr.ウィンターカップ(1月4〜8日、東京都)への出場を決めた。
 前回大会は初出場初優勝を果たした。「打倒・NSCT」で各チームの挑戦を受けた今大会はマークが厳しかったが、きっちり退けた。長野高専との合同練習や高校生、社会人チームと練習試合をするなど格上に胸を借り、鍛えられてきた成果。それでも186cmのセンター横山柳之介主将は「もっとスリーポイントにトライする意識を高め、成功率を上げて全国大会で暴れたい」と、優勝の余韻に浸ることなくさらなる向上を期す。

 NSCTは、長野市を拠点とするU-15(中学生年代)のバスケットボールクラブだ。各中学校のバスケ部のエース級がそろい、高いレベルで攻守にバランスが取れているチーム。児玉英樹ヘッドコーチ(HC)が「オフェンスには好不調の波がある。常にディフェンスから入って、オフェンスへ―ということを心掛けている」と話す通り、県大会では守備からリズムを作り、コートを広く使ったスピード感のある攻撃で頂点に立った。練習では、素早い切り返しやフェイントでディフェンスを抜き去ったかと思えば、次は、腰を落とした粘り強いディフェンスで守り切る――。そんなシーンが随所に見られた。横山主将が課題に挙げた3ポイントも、速いパス回しからタイミングよくフリーになった選手は積極的に打ち、ネットを揺らしていた。

 児玉HCは「個々の技術は高いが、4番バッターばかりでは〝チーム〟としてまとまらない。1番から9番までのバッターがそれぞれの役割をしっかり理解して、コートで表現することが大切。その点ではようやくチームになってきた」と手応えを口にする。横山主将は「やんちゃが多くてまとめるのに苦労もあるけれど、みんなバスケIQが高いので、大事な場面ではしっかり連携が取れている。ベンチも含めてメンバー全員で戦っていきたい」。
 初出場した前回のJr.ウィンターカップでは全国大会の雰囲気にのまれ、1回戦で涙をのんだ。ただ、前半につけられた大差を後半2点差まで猛追してみせた意地は一定の自信にもつながった。悔しさと自信が入り混じった「2点差」をバネにして成長してきたチーム。全国大会に挑み、頂を目指す。


横山柳之介主将

取材・撮影/斉藤茂明