一面ガラス張りで、ふんわりと外光を取り入れるフロア。学校の教室ほどの広さは、5~8人程度が並んで十分に身体を伸ばせる。安曇野市のJR柏矢町駅から東へ徒歩3分、駐車場完備の好立地にあるヨガスタジオ「ポコ☆スタ」。ここでは日々酷使している心身を解きほぐし、明日への元気をチャージすることができる。
仕事に、家事に、育児に介護。自分の時間を確保するのも難しい日常に、ヨガはそっと寄り添ってくれる。時間の流れを緩やかに感じられるひとときは、きしんだ歯車にそっと油をさしてメンテナンスをするのに似ている。
受講のきっかけに多いのが、40代前後で顕在化しやすい健康不安だ。更年期障害や不定愁訴の表れ、健康診断での指摘などを機に関心を持つのだという。
「身体が固くても大丈夫。むしろ、そういう人のほうが効果を実感できます」。南澤ひろみ講師は、自身の経験も踏まえつつ心強い言葉をくれる。30代半ばからヨガに親しみ、現在は指導歴8年。「家族の健康を守るためにも、自分が健康でいることが大切」と語る。
ヨガに特化し、初心者から指導者養成まで、老若男女問わず受講者を募る。10人以上の講師が連携して受講者それぞれに合わせた指導ができるのは、小規模教室ならでは。ただ講師を見て真似するだけではなく、講師自ら声をかけてアドバイスをし、その人に合った動きや無理のない姿勢を教えてくれる。
スポーツのような激しさはなくとも、「正しく、丁寧に」身体を使って自分自身と向き合う。ほんの少し足先の角度を変えれば太ももが震え、腰をたった数ミリ捻るだけで身体がよろめく。あるいは脱力した指先に心地よさを覚え、深呼吸のたびに肩の力が抜けていく。
「ここの筋肉、すごく緊張している」
「こうすると、私の身体はリラックスする」
そんな気付きを得て、気張りすぎた力の抜き方を学んでいく。
「力を抜くことが難しい世の中ですから。頑張りすぎの皆さんに、ぜひリラックス&リフレッシュに来てほしい」と、南澤講師は微笑む。予約不要・好きなクラスに自由に参加可能という敷居の低さも魅力の一つ。自分で曜日や時間帯を自由に決めて通えば、家族の理解を得やすいという側面もあるという。
自分の内から発せられる声なき声に耳を傾け、身体の緊張を解きほぐす。心までほぐれていく。毎日できなくとも、1日10分でもいい。「マットの上にいる間は、自分自身に集中」。身体と心のメンテナンスが、明日もまた「元気な私」をつくる。
取材・撮影/佐藤春香