2026年5月23日、小雨が降る肌寒い天気のなか、赤砂崎公園多目的広場土俵にて「第39回わんぱく相撲諏訪圏大会」が開催された。この大会の小学5年生の部で、見事に5連覇を達成したのが髙木大雅だ。1年生の初出場からこの土俵で負けなしという快挙であり、今年は昨年よりもさらに安定した取り組みでの勝利となった。相撲だけでなくゴルフにも並行して打ち込む髙木だが、その実績の裏には、地道な稽古と、怖さに立ち向かう強い心があった。

母親や祖父が相撲好きだったこともあり、小さい頃から相撲に親しんでいた髙木。もともと体格に恵まれ、食べることも大好きだった。わんぱく相撲で連覇を重ねるなか、小学4年生からはまわしの着用が必要となる全国大会への道が開ける。これを受けて「まわしを締めて本気で挑戦したい」と決意。以前から声をかけてくれていた小林雄矢監督の後押しもあり、信州塩尻相撲クラブの門を叩いた。
クラブに入って挑戦した全国舞台「白鵬杯」で、髙木は見事にベスト16入りを果たす。全国の強豪と肌を合わせたことで、「もっと上を目指したい」という明確な目標が芽生えた。指導を続けてきた小林監督も、「これまでは感覚で相撲を取っていた。でも、この1年で『右をしっかりさす。さしたら自分は強いんだ』という自分の形が徐々にできてきた。強みが分かってから一気に成長した」と目を細める。
クラブ練習に打ち込むなかで、「立ち合いで強い人と当たるのは、今でも怖い。痛いし、強い相手は存在しているだけで迫力がある」と髙木は率直な本音を漏らす。普段は喜怒哀楽をあまり表に出さないタイプだが、心の中では恐怖とも戦っている。それでも絶対に逃げない。どんなに厳しくても毎週の練習には必ず参加し、風邪もひかずに休むことなく通い続けた。「誰よりも練習に参加した」という自負が、髙木の自信の根底にある。

クラブに入ってわずか2か月で太ももやお尻の筋肉が見違えるように大きくなったことで、学校の体操着や給食のエプロンが着られなくなり、カバンすら背負えなくなるほどに肉体が進化した。それは、つらい稽古に耐え抜いた努力の証そのものだ。今回の諏訪圏大会でも、母親が「気持ちが強くなったのだと思う」と話す通り、本番前に体を冷やさないようこまめにアップを繰り返すなど、クラブで培った心構えが安定した勝利という最高の結果に結びついた。だが、勝負の世界は甘くない。6月28日に行われた県大会では、上位2名の全国大会出場枠をかけて臨んだが、結果は準決勝で敗れて3位。惜しくも全国への切符を逃す悔しさを味わった。

さらなる高みを目指す髙木に、小林監督は期待を込めてエールを送る。「今後の課題は気持ちの部分。負けて悔しくて泣いて終わるのではない。それをバネにして『もう一回お願いします!』と相手に向かっていけるような、強い負けん気を持ってほしい。それができれば、彼はもっともっと強くなる」。
「来年は今まで誰も成し遂げたことのない『6連覇』を目指したい」と語る髙木。県大会での悔しさを胸に、次なる目標であるJOC北信越大会での躍進に向けて、すでに前を向いている。厳しい稽古を乗り越えた自信を胸に、髙木はこれからも自分自身の可能性を信じて突き進んでいく。

Profile
髙木大雅(たかぎ・たいが)相撲
2015年10月25日生まれ。岡谷市出身。
神明小学校在学中。家族の影響で幼少期から相撲に親しみ、恵まれた体格を活かして「わんぱく相撲諏訪圏大会」では5連覇を達成。4年生で本格的にクラブへ入り、その年の白鵬杯でベスト16、JOCジュニアオリンピックカップ全日本小学生相撲優勝大会 北信越ブロック大会で見事優勝を飾る。
取材/児玉さつき
