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【都市大塩尻高校 女子バレーボール部】             意識と行動の質を高め      日本一をつかみ取る

日本一を目指す都市大塩尻高校女子バレーボール部。2025年1月の「春高バレー」(第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会)では、長野県代表として7年連続12回目の出場を果たした。初戦で郡山女子大附属(福島)を2ー0で下したものの、2回戦は松山東雲(愛媛)との接戦を0ー2で惜敗。第2セットは24ー26までもつれ込んだが、わずかに及ばなかった。
 ただ、今井一仁監督が掲げる「日本一」という目標は、たとえ届かずとも意味がある。「春高やインターハイ出場を目標にすると、全国大会に行けない年も出てくる可能性がある。しかし『日本一』を掲げることで、全国大会出場への覚悟が決まる」。今井監督は「同じ高校でも、毎年メンバーは入れ替わるため、当然戦力にも波が出てしまう。しかし、目標は絶対に下げない」と強調する。


 7年前に赴任した今井監督は、長野市立裾花中を3度の日本一に導いた実績を持つ。その経験から、技術面だけでなく「日本一を獲る選手として、相応しい行動や生活」を重視。19人の部員のほとんどが寮生活を送る中、寮監も務める今井監督は、選手たちの生活全般を見守る。何かトラブルが発生した際には「その行動をしていて日本一を獲ることができるかどうか」を選手に問いかけ、自主的な判断を促している。
 「入部したての頃はキツいと感じる生徒もいるが、継続することで当たり前になり、意識が高まっていく。そのおかげで、卒業生のほとんどが大学でもバレーボールを続け、大学という自律を求められる環境でも高校生活で培った経験を生かし、違和感なく取り組めている」と今井監督は語る。


 この方針は着実に成果を上げている。2023年夏の北海道インターハイでは準優勝。裾花中時代からの前任・岡田隆安氏の系譜に連なり、SVリーグ女子の高相みな実、松尾奈津子(ともに群馬グリーンウイングス)らトップ選手も輩出してきた。
 3年生が引退した現在、2年生主体の新体制がスタート。チームは夏のインターハイ、国スポ、春高バレーという日本一を懸けた3つの大会に向けて、持ち前の速さと高さを武器に着々と準備を進めている。
 キャプテンの清水奏帆(2年生)は「挨拶や食事のマナーなど当たり前のことを当たり前にして、技術面もしっかりと整えることで、日本一に相応しいチームを作りたい」と意気込む。


【キャプテン 清水奏帆 さん(2年生)】
バレーボールの楽しさは、仲間と一緒にボールをつなぐことだと思います。都市大塩尻高校のバレー部へは、今井先生のお話を聞いて、日本一になりたいと思い、入部しました。キャプテンとしてチームをまとめ、日本一を目指します!


【監督 今井 一仁 さん】
日本一を本気で目指すチームとして、バレーボールだけでなく、日本一にふさわしい人として成長してくれることを願っています。自らを律し、目の前の壁やプレッシャーを自分の力で乗り越えられる、そんな選手になってもらいたいと思います。

取材・撮影/児玉さつき