トレーニングジムと整骨院を併設する複合コンディショニング施設「ZERO」が主催するZEROフェスティバルが11月3日、安曇野市穂高の同施設で開かれた。清々しい青空が広がった文化の日、4年ぶりの開催。多彩な運動プログラムを来場者に提供したほか、北京五輪陸上男子400mリレー銀メダリストの塚原直貴さん(岡谷市出身)を招いた走り方教室も開かれた。
塚原さんは2016年に現役を引退し、現在はフリーランスとして活動。学校を中心に全国へと飛び回る日々だという。第一線のスプリンターから走り方を学べるワークショップには多くの参加者が集結。塚原さんは「無意識で動く、ナチュラルな動きが大事。脚は老若男女同じ動きをする」と解説しつつ、身体の動かし方や姿勢の大切さなどを説いていた。
塚原さんは現在、陸上競技を通じて身体の使い方を伝えたり、子どもたちの運動不足解消などに取り組んだりしている。「陸上競技をやっている方は自己探究心が強い。一歩ずつステップを踏むように、今日の体験から広げてくれればうれしい。きっと社会にでても、自分自身で成長する活力となることにつながるから」と話した。
フェスティバルのイベントは3種類に大別される。「グラウンドエリア」ではウォーキングやランニング、「スタジオエリア」ではピラティスやヨガの体験。そして「整骨院エリア」はテーピング講習や肩こり、腰痛改善などを学べる。参加者はそれぞれ、好みのワークショップに参加できる仕組みだ。
このほか体力測定やスラックラインに挑戦したり、マルシェで食べ物やコーヒーを味わえたりと、一日を通してさまざまな楽しみを味わえるイベント。各所を巡りスタンプを集めると安曇野のお店のクーポンがもらえる企画も。松本大学人間健康学部スポーツ健康学科の学生も手伝いに駆けつけ、来場者と笑顔でもてなしていた。
「みんなで運動を楽しむことを体験してもらいたい」とイベントを企画した「ZERO」の丸山主税(ちから)代表。運動を楽しみながら心も身体も元気になれるよう、トレーナーたちも集結した。終日にぎわいを見せる一日となった。
【守屋 蒼衣さん(13才)】
「タイムを目標にしない・練習の過程を楽しむ」など、塚原さんのアドバイスを一言も漏らさないよう夢中になって聞く蒼衣さん。
「今日教えてもらったことを試して次のステップにつなげていきたいです」
【塚原 直貴さん】
取材・撮影/くりはらともこ