8月13日、信州グリーンローズスタジアム四賀。
菅野ツインズはミズノカップ県学童軟式野球大会の決勝に駒を進めていた。3チームによる三つ巴戦。岡谷田中タイガースとの1戦目は三回に3点を奪うなど、6ー3で逆転勝ちを収める。茅野JBCとの2戦目は1ー5で敗れ、結果は準優勝だった。
それでも船坂賢司監督は「優勝こそ果たせなかったが、3位以上は2003年に優勝して以来の好成績。子どもたちの自信にもつながり、創立30年の節目としても良い記念になった」と、選手たちの頑張りに目を細めた。
昨年は6年生が不在だったため、5年生以下のメンバーで試合に臨んでいた。体力差や実力差から厳しい戦いを余儀なくされたというが、「選手たちに対しては6年生のつもりで指導した。ただ試合に勝つことはあまり重視せず、試合は経験を積むチャンスと捉え、そこで見つけた課題を練習で克服することを心掛けた」と船坂監督は明かす。
そして今年。コツコツと積み上げた努力が実り、準優勝を果たした。大会は8月4日、菅野ツインズの佐々木結菜が選手宣誓して開幕。2回戦から登場して勝ち上がると、寿ヤングバードとの準決勝へ駒を進めた。四回に2点リードを許したものの、最終回で2点を返してタイブレークへ。橋詰柊亮主将は「タイブレークの6回表に仲間の活躍で5点を挙げられた。6回裏はマウンドに立って4失点したけど、最後はセンターフライに打ち取れた。チームの勝利に貢献できた」と振り返る。
神林運動広場を拠点に活動する菅野ツインズ。1994年に笹賀ウイングと神林イーグルスが合併して創設され、船坂監督は自身も笹賀ウイングでプレーした。「大前提として野球を好きになってもらいたい。褒められたことが自信となり、メンタルの強化にもつながってくれれば」と話す。気付いたらすぐに褒める指導を心掛け、「野球に全力で取り組み、臆することなく気持ちを前面に出せる子どもになってほしい」と力を込める。
「グラウンドはもちろん、トイレや用具置き場の整備など、保護者のみなさんによる献身的な支えもチームの大きな強みになっている」と指揮官。周囲への感謝を忘れず、これからも野球に汗を流していく。
船坂 賢司 監督
一人ひとりに合わせた指導を行い、選手の良いプレーや行動に関しては、ホットなうちに褒めて伝えることを心掛けています。勝ちにこだわるというよりも、中学や高校野球へ向けて強い気持ちを育み、卒団してほしいと願っています。
主将 橋詰 柊亮 くん
野球はお父さんの影響で始めました。将来はプロ野球選手になるのが夢ですが、もしそれが叶わなかったとしても、職場のチームで野球を続けているお父さんのように、社会人になってからも野球を続けたいと思っています。
取材・撮影/児玉さつき