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【矢口雄大:サッカー】      ¡ Hola España y el mundo!

2025年4月にスペイン・マドリードで開催される「ISCAR CUP 2025」。U│10世代の国際トーナメントとして世界最高峰と評されるこの大会に、池田町会染小2年生の矢口雄大くんが挑戦する。昨年12月に行われたセレクションを突破。晴れの舞台に立つことが決まった。
 サッカーを始めたのは小学1年生の終わり頃。サッカー好きの父親と、松本山雅FCの熱心なサポーターでもある従兄弟の影響が大きかった。2024年4月に池田町サッカー少年団に入団すると、チームメイトが松本山雅のスクールにも通っていることを知り、3か月後には山雅のスクール試合コースにも入会した。

 現在の練習スケジュールは、火・木・土曜が少年団、水・金曜が山雅のスクール。日曜には試合にも出場し、週に5〜6日はサッカーに打ち込む。「練習を嫌がることは全くない。学校がある時間帯もサッカーをしたいと言うくらい」と母・聖子さんは息子の情熱を語る。
 サッカーの練習を優先するため、宿題も練習前に必ず終わらせる習慣が身についたという。「サッカーを始めたことで生活面にメリハリができ、何事も意欲的に取り組めるようになった」と聖子さんは息子の成長をうれしそうに話す。

 矢口くんの強みは、シュートチャンスを確実に生かす得点力の高さだ。「負けん気が強く、勝ちたいという気持ちがサッカーに向いているのかもしれない」と聖子さん。少年団では高学年メンバーの一員として出場した試合でも、体格差に怯むことなく果敢に挑み、アシストまで記録した。昨年11月、山雅のスクール生として参加した沼津での交流戦では5試合ほどを行い、合計で約10得点を挙げる活躍を見せた。
 スペイン行きを希望するようになったのは、同じ会染小の5年生がスペインへ行ったエピソードを聞いたことがきっかけだった。「僕もスペインに行きたい!」という矢口くんに、「4年生くらいでチャレンジできたらいいね」と話していたところ、父親がSNSでセレクションの情報を入手。思いがけず早く、今回の挑戦へとつながった。

 「合格したと聞いた時は、とにかくうれしかった」と矢口くん。現在は初めてのスペイン渡航に向け、スペイン語の勉強にも励む。専用のノートを買って、毎日スペイン語を書いて勉強している。今ではスペイン語で自己紹介ができるようにまでなったという。
 4月中旬の旅立ちを前に「緊張している」とはにかみながらも、ワクワクとした表情に期待感がにじむ矢口くん。MF久保建英やMF三笘薫などのテクニカルなアタッカーに憧れ、将来の夢は「海外リーグでプレーするサッカー選手」。その大きな夢への第一歩を、この春、スペインの地で踏み出す。    


Profile 矢口 雄大(やぐち・ゆうだい)
サッカー
2016年5月31日生まれ。池田町出身。池田町立会染小在学中。2024年4月から池田町サッカー少年団に入り、7月には松本山雅サッカースクールの試合コースに入会。12月にスペインで開催するISCAR CUP セレクションに参加。2025年4月17日からスペインで開催するISCAR CUPの選抜メンバーとして選出された。

取材・撮影/児玉さつき