地域スポーツ

【極真空手 武居道場】      物怖じしない強い心を育み    未来のリーダー育成

松本市に拠点を置く極真空手武居道場では、幼年から一般まで約50人の門下生が稽古に打ち込んでいる。小学生の少年部と中学生以上の一般部に分かれ、週3日(月・水・金曜)の稽古。基本稽古の後にメンバーの様子を見ながら、形や移動稽古、スパーリングなどのメニューを実施している。

 一般部の特徴は、中学生から大人まで幅広い年代が共に稽古に励む点だ。時には親子で組手を行うこともあり、子どもの蹴りを父親が受けるといった光景も見られる。これも武居道場の醍醐味の一つで、親子の共通の話題を生む効果もある。さらに高校生以上のメンバーは、火・木曜に開催される松本キックボクシング倶楽部への参加も可能で、両方を学べる環境が整っている。
【一般部のみなさん】

【松本キックボクシング俱楽部のみなさん】


 門下生を指導する武居眞師範は、「空手の試合で優勝することは素晴らしいけれど、人生は空手よりも学校や会社で人と関わる時間の方が多い」と考え、「未来のリーダーの育成」を掲げる。山梨県から通う門下生がいるなど、学校や居住地も多岐にわたる中、「学校や学年が違う子どもや大人同士が仲良くなることで、コミュニケーション能力が高まる」と武居師範は力を込める。
 「空手は強いけれど、人の前に出たら何も話せないというのでは子どものためにならない」。そこで稽古の終了後には、その日に頑張った生徒を指名し、稽古の振り返りの場を設けている。この取り組みは、人前で意見を発信する練習の機会。小学1年生から空手を始めた中学1年生の原愛結花も「前に出て自分の意見を発信する力が付いた」と成長を実感している。
 競技面でも着実な成果を上げており、2024年12月開催のadidas KARATE GRAND PRIX 2024には6人が出場。2025年3月1日の第54回オープントーナメント全日本空手道選手権大会にも8人の出場が決定している。
【3月1日開催「第54回オープントーナメント全日本空手道選手権大会」出場選手】

 武居師範は全国大会に向け、「大会では伸び伸びと戦ってもらいたい。大きい舞台で戦えば、勝敗に関係なく自信になる。全国大会はさまざまな大会で勝ち抜いてきた強者同士が戦うので、かなりの不安や恐怖心があると思うけれど、頑張ってほしい。その経験が将来何らかの苦難に出合った時に、『あの試合のことを思えばへっちゃらだ』と乗り越えるための糧になる」と力強く語る。


【原愛結花 さん(右)】
小学1年生から空手を始めました。3月に出場する全国大会は、これで3回目。全国から選手が集まるので、人数も多く、相手ももちろん強いのですが、1勝でも多く勝ち進められるように頑張りたいと思います。
【梯蒔 さん(左)】
お母さんが空手を勧めてくれたことがきっかけで、4歳くらいから始めました。得意技はかかと落としです。「楽しく通ってくれたらと思い、勧めました。今は通わせて良かったと実感しています」と母の歌織さん。


【武居眞 師範】
空手を通じ、何かあった時に踏ん張れる、動じない心を養うことが大事。そうした強い心を育んで、学校や社会の中で、この子と一緒にいると安心できるとか、頼りになるとか、そんな存在になってほしいと願っています。

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取材/児玉さつき