地域スポーツ

【梓川FC ジュニアユース】    負けず嫌いの精神で 県のトップに

練習が始まると同時に、勇んでグラウンドに駆け出していく選手たち。パス、シュートの基礎トレーニングの後は、コーチや顧問も加わってのゲーム形式練習。照明に照らされたグラウンドで、選手たちは懸命にボールを追いかける。

 松本市梓川中サッカー部が、中学部活動の地域移行に伴い「梓川FCジュニアユース」として新たな一歩を踏み出した。9年間外部コーチとして関わってきた奥原利光コーチをはじめとする3人のコーチと、柳澤伸一教諭、平井貴瑛教諭の両顧問がチームを指導。2024年度は県リーグを外部コーチ、中信地区での大会を顧問が担当し、本格的な移行に備えている。
 「サッカーをしたいという生徒は、経験の有無に関係なく受け入れる」。部活動時代からの方針は地域移行後も変わらない。柳澤教諭は「体が大きくても小さくても、どんな選手でも戦えるチーム。個人に頼るのではなく、みんなでボールを動かして関わりながらプレーするスタイルを目指してきた」と語る。
 初心者から経験者まで技量に合わせた指導を実現するため、コーチ3人は日本サッカー協会公認のライセンスを取得。現役プレーヤーでもある奥原コーチは「経験値だけで指導しようとすると、感覚に頼ってしまうところも多く、理論的に説明できないことがある。より具体的に、選手の個性に合わせた指導が重要」と語る。


 チームの強みは「サッカーが好きで、負けず嫌いな選手が多いこと」。2024年度は3年生が少なく、2年生もレギュラーとして各大会に出場。「体格や技術面で上級生にどうしてもかなわない部分があっても、負けたくないという気持ちが勝り、善戦した」と奥原コーチは評価する。
 その経験が実を結んだのが、昨年秋のチラベルトカップ県中学新人選抜大会。旭町中との決勝戦は無得点のまま前後半を終えてPK戦で惜敗したものの、準優勝という好成績を残した。

 「シュートチャンスはけっこうあった。FWの自分が得点を決めていれば勝てたかもしれない」と副部長の松岡秋磨は悔しさをにじませる。部長の松本碧斗も「夏こそは県大会で優勝したい」と意気込む。
 奥原コーチは「上級生と戦ってきた貯金で好成績を残せた。より強いチームに対抗できるように、この結果に甘んじることなく練習に取り組んでほしい」と期待を込める。


【部長 松本碧斗さん】
小学校に入学する前からサッカーをはじめて、小学3年生の時に梓川FCジュニアに入りました。中学生になってからはサッカー面だけでなく、挨拶や話し方などの礼儀についても学ぶことができ、成長を実感しています。今の目標は、夏季の県大会で優勝することです。


【副部長 松岡秋磨さん】
サッカーはお父さんの影響で、小学1年生から始めました。コーチや顧問の先生からは、時間を守ることや練習場所をきれいにしてから帰るなど、大切なことを教えてもらいました。高校でもサッカーを続け、将来はスポーツ関係の仕事に就きたいと思っています。

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取材・撮影/児玉さつき