朝というのに30℃近い気温が続く2024年8月10日。夏休み中の小学校の体育館で組まれた円陣から「全力で頑張る!」の掛け声が響いた。松本鎌田ミニバスケットボール男子の練習は、フロアの雑巾掛けから始まる。同クラブの理念には、中学や高校でも通用するバスケ人の育成がある。それは技術やフィジカルの強化だけではなく、挨拶や感謝など礼儀を重視する内面の醸成にも重きを置くため、まずは「全員で」体育館の床を磨く。松本バスケットボール協会が主催するミニバス教室の鎌田教室として、長らく子どもたちの心身の育成に携わってきた。昨年、進学した先で全国大会ベスト4の成績を収めた卒団生もいる、松本の名門と言ってよいクラブではないか。
現メンバーは6年生3人、5年生2人、4年生9人(いずれも取材時)。室内競技自体が難しかったコロナ禍の影響でメンバーが少なく、試合では出場選手が身体の大きい上位学年と相対する場面も多い。そんな時にどう対応するのか、コンタクトで負けないかも選手たちの目下の課題だ。全員で行うウォーミングアップの後、AチームとBチームに分かれて技術面の練習が始まる。Aチームは週末の練習の他に平日夜の練習が2回増え、よりバスケットボールと触れ合える機会が多くなっている。指導に当たるコーチ陣は現在6人。いずれの練習でもコーチたちから熱心に発せられる指摘は「声を出す」こと、いわゆる声出しだ。試合中のコミュニケーションはもちろん、全員で同じ方向へ向かって行く意識の向上を狙っている。
8月末の新人戦を経て、今後は11月の選手権を控え、子どもたちは「まずは1勝」、そしてより多く勝ち星を挙げられるように意気込む。また同クラブでは随時、練習の見学や体験も募っている。映画ファーストスラムダンクの社会現象、パリ五輪出場の日本バスケの躍進。何かと話題のバスケットボールに子どもと共に触れてみてはどうか。
キャプテン 安藤 快斗 くん
バスケはシュートを決める瞬間が好きです!コーチに勧められて見た動画のコービー・ブライアントに憧れています。僕たちのクラブは皆で楽しく明るくバスケができるメンバーが揃っています。次の大会で初戦を突破できるように頑張ります!
下里 和也 コーチ
バスケを通して子どもたちの心の成長を大切にしています。現在のメンバーは高学年が少なく試合では厳しい場面も出てきますが、その分練習を頑張っています。クラブチームは学校を越えた繋がりができるので、中学や高校に行ってもそれが子どもたちの財産になります!
≪見学・体験希望はメールでご連絡ください≫
matsumotokamada.minibbc.boys@gmail.com
取材・撮影/生田和徳