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【松本国際中 野球部】      全国制覇への道筋くっきり

軟式野球の松本国際中が、創部わずか4年で着実に実績を積み上げている。1期生が第45回全国中学大会でベスト8、2期生も第14回東日本少年大会で準優勝。そして3期生が昨年11月、第2回nines cup(中体連新人県大会)で県優勝を果たし、第22回中学交流会魚津大会に県代表として出場。見事優勝を勝ち取った。

 現在の部員は3年生14人を含む36人。創部から指揮を執る田澤泰彦監督は「3期生の子どもたちは真面目にコツコツと練習に励み、攻守ともに力があると感じている」と評価する一方、「真面目だからこそ、試合で硬くなってしまってプレッシャーに弱い一面がある。もっと殻を打ち破って、思い切り力を発揮してほしい」と期待を込める。
 練習では、体づくりの基礎となるアップを入念に行い、より高いレベルでの野球を目指して「投げる・打つ・走る」の基礎基本を重視。「野球はできなかったことができるようになるから楽しい。できるようになれば、もっとうまくなりたいと思うようになる。そのためにも基礎基本は徹底して行っている」と田澤監督。

 一方で「基礎は大事にするが、押し付けるような指導はせず、子どもたちの自主性を尊重している」との指導方針を持つ。その理由を「こちらから一方的に押し付ければ、ある程度は成長するかもしれないが、彼らの思考が止まってしまい、より上を目指すことは難しい。彼らの可能性を広げるためにも、自主性を大事にしている」と説明する。
 副主将の山下蓮は「試合後のミーティングで挙げられた反省点を踏まえて自分たちで課題を見つけ練習メニューに生かしている」と話し、「うまくいかなかったときには監督がアドバイスをしてくれるので、失敗を恐れずにチャレンジできる」と笑顔を見せる。
 「中学生年代は、経験を積むことで成長できる。選手には少しでも多く試合に出場できる機会を与えてあげたい」という考えから、日々の練習に加えて、東海大翔洋(静岡)や作新学院(栃木)、東山クラブ(愛知)など、全国の強豪チームとの練習試合も積極的に行っている。


 「全国制覇を成し遂げたチームと戦っても決して遜色はない。中学野球で野球人生が終わるわけではない。失敗することも経験の一つ。失敗を恐れることなく、全力で挑んでほしい」と田澤監督。
 そのエールを胸に今季チームが目指すのは「全国中学大会の制覇」。創部5年目にして頂点を狙う偉業達成に向けて、選手全員がやる気をみなぎらせている。

【監督 田澤泰彦 さん】
子どもたちにはより大きな舞台で力を試させてあげたいという想いから、より高いレベルを目指して指導しています。野球部では、野球が好きな子どもたちは大歓迎です。体験も随時受け付けていますので、ぜひ気軽にご連絡ください。

【主将 中谷颯佑 くん】
田澤監督から挨拶、返事、掃除を大事にするように指導してもらったことで、日常でも意識して取り組めるようになり、人間的にも成長したと実感しています。高校生でも野球を続け、将来的にはプロ野球選手を目指したいと思っています。
【副主将 山下蓮 くん】
野球の楽しさは、チーム一丸となって取り組めること。部活動を通して仲間への想いがより強くなったのと同時に、自分が野球に取り組めていることは決して当たり前ではなく、整った環境で野球ができること自体に感謝の気持ちを持つようになりました。

取材・撮影/児玉さつき