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【東海大諏訪高校 チアリーディング部 SUNRISE】       代々受け継ぐ「思い」と「知識」   2年連続の全国舞台は晴れやかに 

2分30秒の演技に、全身全霊を注いだ。8月30日、国立代々木競技場第一体育館。東海大諏訪高のチアリーティング部「SUNRISE」が、JAPAN CUP2024日本選手権のフライデートーナメント高校部門に出場した。2年連続3度目の晴れ舞台。目標としていた準決勝進出にはわずかに及ばなかったものの、顧問の宮坂雄大教諭は「過去最高得点だったし、みんな全力を尽くして晴れ晴れとした表情だった」とうなずいた。

先輩たちから脈々と知識と経験を受け継ぎ、過去最高の成績を残した。2013年に部活動が発足。合同練習や大会で得た知識をノートにまとめ、先輩から後輩に代々受け継ぐなど、独自のスタイルで実力を蓄えてきた。昨年は創部から2度目となるJAPAN CUPフライデートーナメント出場権を獲得。「全国につながる道を先輩たちが作ってくれた。今年はさらに一歩先に進みたい」と準決勝進出を目標に掲げた。

6月2日、富山市総合体育館で行われた北信越大会。規定演技では全体3位・高校の部1位に輝いたほか、自由演技競技でも優秀な成績を収め、JAPAN CUPフライデートーナメントの切符をつかんだ。しかし今年の目標は準決勝進出。フライデートーナメントで170点以上を獲得しなければ先に進むことはできない。これまで139点が最高点というSUNRISEにとって、非常に高い壁だった。

キャプテンの淺野桃帆は振り返る。「去年はJAPAN CUPに出場することが目標だったので、出場が決まった時点で気持ちが緩んでしまっていた」。そのため今年は夏休みも日曜日以外は毎日5時間以上を練習に充て、全力で取り組んできた。大会直前にメンバーのケガなど想定外の事態に見舞われたものの、本番は声を出し、元気さと笑顔を忘れずに臨んだという。準決勝進出は逃したものの、163点と過去最高点をマークした。

3年生8人、2年生7人、1年生11人の26人が所属するSUNRISE。各学年とも競技経験者は1〜2人程度だといい、この3年間で力を蓄えて花開く。2人の顧問も競技は未経験だが、だからこそ「練習メニューやメンバーの選出、演技の構成など、顧問としてのアドバイスは行いながらも生徒の自主性を尊重して進めている」と宮坂教諭。日々の練習では人を持ち上げる「スタンツ」のためのウエイトトレーニングや、体操出身のコーチを招いてのタンブリングの練習なども行う。構成の組み立てや選曲は自分たち。「音楽もみんなの意見を聞いて選曲・編集している」と副キャプテンの桑原奈央は話す。

こうした積み重ねを経て、晴れ舞台で躍動したSUNRISE。先輩とともに挑んだ2年生の𠮷澤朱優は、「SUNRISEの強みは、先輩後輩関係なく意見が言い合える風通しの良い関係。今年の3年生が築いてくれたその雰囲気を踏襲し、来年も北信越大会の規定演技で1位を目指したい。そしてJAPAN  CUPに出場したい」と来季を見据えている。

 

 

写真真ん中:キャプテン 淺野 桃帆 さん

中学3年生まではチアダンス、チアリーディングは高校から始めました。チアリーディングはスタンツがメインなので、1人でも欠けたり、気持ちが違ったりすると技が決まりません。仲間との信頼関係を築き、みんなで1つのものを作り上げる、それがチアリーディングの魅力です。高校ではJAPAN CUPが節目になりますが、大学でも続けたいと思っています。

 

取材・撮影/児玉さつき