今年1月に、岡谷市神明小の児童でメンバーを構成していた神明コンドルズが加わり、新たなスタートを切った川岸スポーツ少年団。神明コンドルズから合流した副主将の浜壱誠くんは「6年生が卒業した後は5人だけになってしまった。今もこうして仲間と一緒に野球ができることが本当に嬉しい」と目を輝かせる。
現在川岸スポーツ少年団のメンバーは23人。チームの強みについて花岡潤監督は「元気があっていい。そのおかげで少し厳しい練習にもへこたれず、練習量も確保できている」と話す。
練習は水・土・日曜の週3回。ウォームアップの後は、基本的な守備やバッティング練習のほか、各試合後の振り返りで明らかになった課題克服へ向けた練習を重点的に行う。



指導における信条は「繰り返し教えること」。「誰でも1回で理解することは難しいし、1回聞いてできるわけではない。だから、できるまで繰り返し同じことを伝えるようにしている」と花岡監督。時には時間がかかる場合もあるというが、「子どもは急にポーンとできるようになる。だから絶対にこちらが諦めてはいけない」と強調する。


その指導が実り、今季は好成績を連発している。5月の第47回南信地区スポーツ少年団競技別交流会で準優勝、6月の県大会へ進出。県大会でも準優勝に輝き、7月の北信越大会へ駒を進めた。6月開催の第44回学童軟式野球選手権大会兼岡谷支部予選でも優勝を勝ち取り、8月末の南信大会への出場権を獲得した。
「勝ち上がってチーム同士の力が拮抗してくると、少しのミスや、苦しい時に気持ちが耐えられるかどうかという精神的なタフさが勝敗を左右する」と花岡監督は分析する。
南信大会を勝ち進んで出場した第45回マクドナルド・トーナメント県選手権春季大会の1回戦で野沢浅間と対戦した際には、先制したものの逆転を許し、あと1点というところまで迫ったが5|6で惜しくも勝利を逃した。
花岡監督は「メンタルというのは見えない部分だからこそ、鍛えるのが難しい。試合が終わるまではたとえ負けていても前を向き、自分たちを信じることが大事」と力を込める。
その想いは花岡稜季主将の胸にも届いている。「負けているときはいつも声が出なくなってしまうので、もっと声を出してチームを盛り上げたい」と言い、「北信越大会で優勝して、全国大会へ出場したい!」と意気込みを見せる。
「力を付けるためには経験が大事。負けたらそこまでだったと思い、また練習を積んで上を目指せばいい。到達したのが上であればあるほど、またそこへ行きたいという目標ができる」と話す花岡監督。懸命に白球を追う選手たちを見つめながら、「彼らにはより上を目指せる力がある」と期待を寄せた。

【主将 花岡稜季 くん】※写真中央
野球は小学2年生の時に始めました。チームスポーツということもあり、チームメイトが良いバッティングをしたり活躍した時に楽しさを感じます。卒業後も野球を続け、将来はプロ野球選手になるのが夢です。
【副主将 浜壱誠 くん】※写真右
小学1年生から野球を始めました。一番の魅力は、みんなで喜び合えることだと思っています。憧れの選手は巨人軍の坂本勇人選手です。自分も中学、高校と野球を続けて、プロ野球選手を目指します。
【副主将 外舘翔 くん】※写真左
野球をしていた兄の影響で、小学2年生から川岸スポーツ少年団に入りました。監督やコーチが丁寧に教えてくれるので、バッティングや守備が上達したと思います。将来の夢はプロ野球選手になることです。

取材・撮影/児玉さつき
