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【岡谷リトルシニア】      ハードな練習で体力と精神を強化 基礎を徹底して高校野球への架け橋に

前身から13年余の歴史を持つ岡谷リトルシニア。2023年に日本選手権信越大会を制して全国大会出場を果たし、飛躍の一年となった。今季も秋季大会では3年生メインのAチームが信越3位、2年生主体のBチームも中南信ブロック新人戦で3位と、着実に力をつけている。その強さの源は、徹底した体力づくりにある。「入団を決める前にいろいろなチームの練習を見学に行ったが、岡谷リトルシニアの気合の入った練習風景を見て決めた」。牛山隼吾主将はそう振り返る。水・土・日の通常練習に加え、1月からは投手陣が毎週末に諏訪湖を1周するなど、特にランニングメニューに力を入れる。


 「かなりハードな練習だけど、試合で負けてもミスをしても叱ることはほとんどない」と小澤健司監督。セイコーエプソン野球部で国体出場経験を持つ指揮官は、「厳しい練習を自分から乗り越えることで、体力はもちろん、自然と精神力も強化される」と説明する。
 牛山主将も「ランニングメニューは時にはキツいと感じるけれど、そのおかげで精神面が鍛えられ、スタミナもつき、足も速くなった」と成長を実感する。
 技術面では「打つ、投げる、取る」という3つの基本を重視。年1回の栄養指導、月1回の体幹トレーニングなど、専門的な指導も取り入れながら高校野球への素地を形成。その成果は、花巻東(岩手)や青森山田といった甲子園常連校への進学実績にも表れている。


 「各高校で独自の方針があるため、あえて技術は基礎の徹底にとどめている。高校野球で必要とされる体力を強化しているので、伸びしろを評価してもらえることが多い」と小澤監督は話す。
 12月末には1年生チームがJAL Rookie Baseball Cupの信越代表として沖縄大会に出場予定。2年生チームは4月下旬の春季大会に向けて始動している。「新人戦3位は決して納得のいく結果ではなかった。見つけた課題を克服し、春季大会では優勝を目指したい」。牛山主将の決意は固い。

 選手たち自身が課題を見つけ、乗り越えていく。走り込みで培った体力と精神力は、必ずや高校野球への架け橋となるはずだ。


【小澤 健司 監督】
試合の度に振り返りを行い、課題解決を目指します。高校年代では自分で課題を解決できる力が求められます。その力を中学年代から養い、高校野球へつなげるため、分かりやすい細かな目標を設定。さらに一方的に押し付けるのではなく、選手自身が自ら気付いて改善できる指導を心がけています。


【牛山 隼吾 主将】
野球は小学2年生から始めました。新人戦はミスが失点につながり、準決勝で負けてしまいました。ミスを防ぐために練習も本番と同じ集中力を維持できるように心掛けています。岡谷リトルシニアで出場する大会は、常に優勝が目標。高校では岡谷リトルシニアでの経験を生かして、甲子園を目指したい。

取材・撮影/児玉さつき