地域スポーツ

【山辺スポーツ少年団】生き生きと楽しむ野球 自信を育んで人としても成長を

楽しく実力を伸ばし、自信を持って社会へ羽ばたけるように——。大人たちのそんな願いのもと、山辺スポーツ少年団の選手はのびのびプレーする。「野球を通じて学びながら自信をつけてもらいたい。失敗しても方法を考えたり、やり方を変えてみたりしながら成功体験を重ねて、心の明るい大人になってほしい」。柿澤洋志コーチは願いを語る。

 自由時間にもコーチのもとへ駆け寄る選手たち。「次は何?」と練習メニューをせがむ。笑顔で応じる柿澤コーチは「皆が楽しくやっているという点では、このへんでは一番のチームじゃないかと思う」と自信をのぞかせる。願いは「子どもたちに野球を好きになってもらうこと」。数あるスポーツから野球を選んだ彼らが長く続けていけるよう、「明るい雰囲気づくり」と「挑戦する姿勢」を大切にしている。
 前向きにチャレンジできる雰囲気の中で、やりたいポジションやプレーなど遠慮なく自己主張することで成長も見込まれる。昨年はアンダースローに挑戦し、みるみる実力を伸ばしていった投手も。「肩や肘を傷めやすいのでなかなか少年野球ではやらないが、危険がないよう見守りながら挑戦させてみるのも指導者の役割」と柿澤コーチはうなずき、「成功体験を積むことで子どもたち自身も喜ぶし、保護者の皆さんも幸せな気持ちになる」と話す。

 「プレーを通じて、気遣いができて思いやりのある人に育ってほしい」との思いから、「仲間とのコミュニケーションやミスのカバーなどは人生のどんな場面でも応用できる」と常日頃から選手に伝えている。小学6年生の丸山湧は「みんなと笑顔で練習や試合ができるのがうれしい」と話し、「友達と協力した経験を生かして、ここで教えてもらったことを社会でも発揮したい」と将来まで見据える。同級生の徳武勇志も「ここで習ったことをしっかり生かせるようなところで働きたい」。1年生で入団し、現在は主将を任されるほどの成長を見せ、「どんなことでも諦めずに、最後まで全力でやる」と力強い。

 チームは1981年に創設。18人の所属選手は山辺小を中心に清水小や旭町小の児童も参加し、多くは友人や兄弟の紹介で入団するという。楽しむことに重きを置きつつも松本東地区少年野球大会をはじめとする各種大会にも出場し、GasOneカップやミズノカップなどの上位進出も狙う。


【柿澤洋志コーチ】
選手たちが挑戦する姿を見るのが楽しみ。できなかったことができるようになって喜ぶ顔や、お父さんお母さんもそれを見て喜んでくれることが僕自身もうれしくて、やりがいを感じています。


【徳武勇志(とくたけ・ゆうし)くん・丸山湧(まるやま・わく)くん】

体験・入団のお問い合わせ:臼山監督携帯(090-2722-9131)

取材・撮影/佐藤春香