安曇野南ミニバスケットボールクラブの歴史を遡れば、1980年代初頭に発足した旧町村単位のチームに辿り着く。当時の豊科町にミニバスケットボールクラブが発足したのを契機に誕生し、約半世紀にわたりこの地でバスケットボールの普及と育成を担ってきた。かつては安曇野選抜として県大会準優勝や13年連続ベスト8進出など輝かしい実績を残したが、少子化の波を受け、今では堀金・三郷地区を中心とした「安曇野南」として活動を続けている。

現在は6年生と5年生を中心に30名を超える部員が在籍している。体格に恵まれた選手こそ少ないものの、機動力を活かした「走り回るバスケット」で県大会出場や上位進出を目指している。指導体制は、コーチ7名のうち半数がかつての教え子やその同期生であり、世代交代の形をとり始めている。指導の根幹にあるのは、単なる技術向上にとどまらない「自立した人間」の育成だ。現代の傾向として自ら考える力を育てる必要性を挙げ、あえて保護者には「練習はコーチに任せ、家庭でも技術的な口出しをせず、子どもの良いプレーを褒めることに徹してほしい」と伝えている。バスケットボールを通じて、一人の人間として自律することを何よりも重んじる。


また技術面で大切にしているのは「パスコミュニケーション」だ。一人で強引に攻めるのではなく、パスを通じて仲間と意思疎通を図る。出し手と受け手の意図が合致し、二人で一つの好プレーを作り出す瞬間にこそ、バスケットボールの真の楽しさがある。長年同クラブで指導する臼井良臣コーチは「ベンチが思わず飛び上がるような、喜びを共有できるプレーを増やすことが、結果としてチームの成長に繋がる。コート上の5人が同じ狙いを共有し、アイコンタクトで連動するバスケットボールが理想だ」と話す。

指導者の一人である臼井拓哉コーチもこのクラブで育ち、小学校から大学までバスケを続け県選抜の主将も務めた経験を持つ。自身が同クラブで学んだのは技術以上に「人との繋がり」であり、「仲間と出会い続けるバスケットボールの魅力を感じてほしい」と語る。また「バスケが好きな子を少しでも育てたい。子どもたちのいきいきした表情を見るのが嬉しい」と話し、初心者から経験者まで、それぞれのレベルに応じた練習環境づくりに力を注いでいる。
歴史あるクラブの伝統は、新しい世代のコーチから現代の子どもたちへと、確かなパスのように受け継がれている。

【キャプテン 浦沢輝明 くん】
この1年間はキャプテンとして多くの経験を積めた時間でした!チームも自分たちで盛り上げられるようになり、声も出せるようになってきました。自分も憧れの富樫勇樹選手のように大事な場面で決められる選手を目指し、ドライブからのシュートを中心に練習しています。将来はBリーガーになりたいです!

【コーチ 臼井拓哉 さん】
私自身も小1からずっとバスケを続けてきましたが、ここで学んだのは技術よりも色々な学校の仲間と関わる楽しさでした。だから今は、子どもたちにも人との出会いを大切にしてほしいと思っています。練習中のいきいきした表情を見ると、指導していて本当に良かったと感じます。

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取材・撮影/生田和徳
