地域スポーツ

【大町ブルーフェニックス】    「優しさ」が育むチームワーク    結束力で勝利をつかむ

新生・大町ブルーフェニックスが今年1月1日から活動を始めた。2つのチームが統合し、初年度は「日本一の挨拶をしよう」と掲げてスタート。指導者として18年目となる鳥羽健一監督は、「友達に優しい気持ちを持って野球に取り組んでほしい」と子どもたちの成長に期待を寄せる。

大町市内の「常盤野球スポーツ少年団」と「大町ホープ」が統合。常盤野球スポーツ少年団を率いていた鳥羽監督が指揮を執る。「初シーズンということもあり、チームの結束力や野球スキルの上達だけではなく、人間形成の部分にも力を入れていきたい」といい、挨拶に力を入れることとした。実際に子どもたちにも浸透しており、主将の今溝楓人は「野球の練習や試合の時だけでなく、登下校でも挨拶をするように心掛けている」。と日々の生活でも自らの成長につなげている。

強さを求めつつ、優しさの目線を忘れない。現チームは6年生5人を筆頭にスキルが高いというが、「技術が未熟な選手に対して強い口調になってしまいがち」という危険性もはらんでいるという。「チームには1年生の選手もいる。まだ未熟な小さい子に対して強い言葉はあまり使ってほしくない。勝負事だから勝った方がいいとは思うけれど、優しさを忘れてはいけない」と鳥羽監督は強調する。

このように思いやりの気持ちがチームワーク向上へつながり、「チームのために自分も頑張る。このチームで勝つ」という思いにつながっていく。副主将の栗林謙伸も「試合ではたくさん楽しいと思う場面がある。自分のプレーでベンチのみんなが喜んでくれる、笑顔になってくれることが本当にうれしい」。今後に向けても「チームの勝利のために自分の役割をしっかりと果たして、勝利に貢献できるように頑張りたい」とチーム愛を口にする。

メンバー不足で合併した経緯もあるからこそ、野球を好きでい続けてほしい――という思いがある。「時には2年生や3年生が出場することもある。三振して泣きながら帰ってくることもあるけれど、『泣くな』なんて言えない」。鳥羽監督は選手を優しく見守る。

常盤野球スポーツ少年団として最後のシーズンとなった2023年には、第45回全国スポーツ少年団軟式野球交流大会県大会で準優勝し、北信越大会3位に輝いた。大町ブルーフェニックスとしても全日本学童軟式大会 マクドナルドトーナメントで中信地区代表として県代表決定大会に出場。チームへの思いやりが強さを育んでいる。リスタートした歩みは始まったばかり。優しさを忘れない姿勢を大切に、チーム一丸となって勝利を目指す。

 

 

監督 鳥羽 健一 さん

指導をはじめてからは18年、監督としては常盤野球スポーツ少年団から数えて8年目を迎えました。野球の技術を磨くだけでなく、話を聞く姿勢を養うために野球ノートを活用するなど、人間形成という側面も大切にしています。

主将 今溝 楓人 くん

5年生の時の北信越大会で3位になったことが1番印象に残っています。野球を続ける中で、監督からは態度や言動に関することも教わってきました。中学でも野球を続け、将来はプロ野球選手になってWBCに出場したいです。

副主将 栗林 謙伸 くん

小学1年生の時に野球をはじめました。野球を続けてきて1番思い出に残っているのは、第17回Gasoneカップ学童年軟式野球大会で前の試合の反省を生かし、3打数3安打を達成したこと。将来の夢は甲子園に出場して優勝することです。

 

取材・撮影/児玉さつき