松本市の芳川公園を拠点に、野球の輪を広げている。1977年に活動をスタートした北原町少年野球クラブ。創立45周年を迎えた昨年は、芳川南商工会杯芳川南商工会杯争奪大会と信濃毎日新聞社旗争奪中信地区学童大会を制するなど、一定の成果を挙げた。
チームには松本市内を中心に、さまざまな学校から選手が集う。その背景にあるのは、拠点としている芳川公園の存在だ。休日には多くの子どもたちや家族連れが訪れる環境。「たまたまキャッチボールをしている子に声をかけたり、遠くから練習を見て『やってみたい』と思ってくれる子がいる」と佐々木克弘監督は言う。
芳川小の橋詰叶(6年)は1年生から入団。今季はチーム投票で主将となり、率先してトレーニングに励んできた。彼を筆頭に「6年生の5人は力があった」と佐々木監督。昨年5月に行われた芳川南商工会杯では、決勝で寿ヤングバードを6―0と下して今季初優勝を遂げた。「自分たちが主管となっているので、毎年必ず勝ちたい大会」と指揮官が位置付けるトーナメントで、11年ぶりの頂点に立った。
また10月には信濃毎日新聞社旗も11年ぶりの制覇。決勝では山形キヨミズと対戦し、特別延長の末に6―5と競り勝った。6年生の活躍だけでなく、「大会ごとにヒーローになる5年生も出てきてくれた」と佐々木監督は笑みをこぼした。
今季のチームについて、橋詰主将は「打撃が良かった」と話す。全体練習で打撃に力を入れているわけではないが、指揮官は「自主練習の賜物だと思う。自分たちで練習を積んできたことを自信にして、先制されても覆せる力があった」。先述した信濃毎日新聞社旗では初回に2点を先行されながらも、すぐさま同点に追いつくなど、その打撃力を示していた。
チームは4つのスローガンを掲げており、そのうちの一つが「全力疾走しよう!」。グラウンド上で手を抜かないことはもちろんだが、佐々木監督は「せっかくいろんなスポーツがある中で野球を始めたのだから、できるだけ長く、楽しくやってほしい。なかなか一つのことをやり続ける子が少なくなってきているが、まずは6年生まできちんと続けてくれたら」と思いを馳せる。選手たちが6年間を全力疾走した上で、その後も生涯スポーツとして野球に携わるようになれば本望だ。
【橋詰 叶 主将】
1年生からチームに入りました。休憩のときはみんなでふざけたりしていますが、練習になるとしっかりやっていて、メリハリのあるチームです。率先して声かけをしています!
【佐々木 克弘 監督】
小学生から野球を始めてくれた選手に対して、長く、楽しくやってもらうことを目指しています。多くの小学校から集まってきていますが、すぐに仲良くなれるチームです!
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取材/田中紘夢