信州ブレイブウォリアーズの2023ー24シーズンが幕を閉じた。B2降格が決まった半面、ホームゲーム平均入場者数が4,000人を超えるなど、26年開始のBプレミアへの参入要件をクリア。その過程で、新たな仲間の輪がどう広がったのか。感謝祭に来場したブースターの声と、木戸康行社長のインタビューから浮き彫りにする。
【感謝祭】
笑顔あふれるフィナーレだった。ブースター感謝祭が5月11日にホワイトリングで開かれ、約1,200人のブースターが集結。アリーナが黄色に染まり、選手たちとの触れ合いには感激の声があがった。
第1部はブースターを交えたクイズ大会や選手のダンク対決など。第2部はダイヤモンド会員対象のサイン会などがあった。イベント前には選手たちが会場内を歩いて移動。参加者は口々に応援の言葉をかけていた。
一気に仲間が増え、以前からのブースターは「(応援の)迫力が増した」「一体感が高まった」と話す。「知り合いをたくさん連れてきたら、みんながハマってくれた」という声も。B2降格が決まったが、「来季もシーズンチケットを買う」「いっそう応援したい」と力強い声が聞かれた。
【ブースターの声】
「何年も前から来てみたかった。思い切って10月に初めて家族で来てみたら、めちゃめちゃ楽しかった。家族で出かける感覚で来られるし、応援の一体感も楽しい」
(長野市内・親子3人)
「友達に誘われて3年以上通っている。来て応援することが一つの目的になっていて、選手が汗を流している姿に『がんばれ!』という気持ちになる。来ると元気がもらえるし、慣れて通勤路みたいに感じる。今年は孫たちや友だちが大勢来てくれて、選手のひたむきな姿に何人も虜になっていた」
(上田市/東御市・女性2名)
「ずっと見てみたかったが、今年は会社の人に招待されて家族4人で来ることができた。娘がハマってくれて以来、毎試合来ている。勝ち負けに関わらず、選手たちの熱いハートを見られるのがいい」
(長野市内・親子4人)
【木戸康行社長インタビュー】
——入場者数増加のためにどんな工夫をされましたか?
例年の「KIDS DREAM TICKET」に力を入れ、来場するたびにスタンプがもらえる仕組みなど「また来たい」と思えるような工夫をしました。大人には「長野市ホームタウンデー」をはじめ、ブースターの皆さまの家族や親戚などを優待する機会をたくさん作りました。
——ブースターは何を期待してホワイトリングに来ていましたか?
目の前でプロ選手がプレーする迫力が非常におもしろい、と。特に子どもたちからの声が多く、「楽しかった」「また来たい」など、うれしい言葉がたくさんありました。
——企業理念「『楽しい!』をつくる。」をかなえるために大切なことは何ですか?
我々フロントスタッフ一人一人が「楽しい」と思うことです。今季は各自が企画を考え、自分たちが「楽しい」と思えるかを追求しました。3月にアイドルグループ「#2i2」を招いて、一緒に観戦できるシートを設置したのもスタッフの発案。大変好評で、わざわざ東京から来てくださったファンの方もいました。
——本誌読者の子どもたちに向けてメッセージをお願いします。
Bプレミアを、そして日本一を目指す準備をしています。その過程を一緒に楽しんでもらいながら「自分もやりたい」「プロになりたい」と思ってくれる子どもたちが増えてほしい。長野県で育って、長野県でプロになる道を作りながら、バスケットを通じて明るい社会を作っていきたいので、ぜひ応援よろしくお願いします。
取材・撮影/佐藤春香