佐久長聖高女子サッカー部のDF加藤真実が、WEリーグ・ノジマステラ神奈川相模原に加入することが内定した。2017年の創部以来初となるWEリーガーの輩出。10月2日には同校で記者会見が行われ、大島駿監督は「本校が掲げている、世界の佐久長聖、世界に羽ばたく選手というところにおいて、プロ選手を輩出できたことは大きな一歩。今後活躍することによって、長野県内の子どもたち、特に少女たちにとって大きなエールになると思う」と期待を込めた。
今年で公式戦出場7年目。22年に全国高校女子選手権に初出場し、昨年は県勢初の北信越大会優勝、2年連続で全国高校女子選手権出場を果たした。1年時からDFとして試合に出場していた加藤も、チームの核として2度の全国舞台を経験した。
自認するストロングポイントはヘディングの強さと対人能力の高さ。しかし高校入学前は「特に注目されるような選手ではなかった」と振り返る。「幼い頃からの夢だった女子プロサッカー選手を目指し、諦めずにやり続けたことで成長を実感することができた」と続けた。
栃木県出身の加藤がサッカーを始めたのは年中の時。「佐久長聖はボールを大切にしながらプレーをするスタイルだった。それまでのチームでは特にボールを大切にするということは意識してこなかったので、新しいスタイルに挑戦したいと思って入学を決めた」と話す。当初はビルドアップに苦戦していたが、今では攻撃の起点として機能。ビルドアップ能力を3年間で磨いたことにより、能力が開花した。ノジマステラ神奈川相模原の江澤慶・強化担当部長も「一番の決め手、魅力となったのはビルドアップの能力」と評価する。
来年2月にチームに合流する予定。「チームの練習に参加していただいた時に、課題の克服、良い部分を伸ばしていくということに長けていると感じた。加入後はWEリーグで活躍していただく、チームの力になってくれる選手だと確信している」と期待を寄せる江澤強化担当部長。加藤も「幼いころから夢見ていたサッカー選手になれて素直にうれしいし、その一歩をこの素晴らしいクラブで踏み出せることがうれしい。1年目とかは関係なく自分のプレーを出すことを心掛け、常に試合に出続けて、チームの勝利に貢献できるような選手になりたいです」と力強く語った。
取材・撮影/児玉さつき