10月4日、高円宮杯JFA Uー15サッカーリーグ2025長野TOPリーグ第17節。旭町中グラウンドでFC ASA FUTUROと対戦したフォルツァ松本は山口泰成が前半1点、後半5点の計6ゴールを挙げて大勝した。1試合を残してリーグ優勝。北信越リーグ参入への挑戦権を勝ち取った。
チームが重視するのは、ドリブルを主とした個人技術の向上。中村優一監督は「練習では、特にドリブルをメインにしたトレーニングを行っているが、その積み重ねがリーグ戦の優勝につながったのではないか」と分析する。


中村監督がフォルツァ松本の指導者として携わるようになったのは約20年前。当時はジュニア年代の育成を手掛けていたが、「ジュニアチームの選手も中学生年代では他チームに流れてしまい、ジュニアユースチームにはなかなかメンバーが集まらない時期があった」と振り返る。
それでもブレることなく個人技術の向上を目指した結果、2023年の第32回県クラブユース選手権Uー15で優勝して北信越大会に出場。個人でも今年8月に、フォルツァ松本kidsからジュニアユースを経て、現愛知東邦大3年の伊藤凜莉が2027ー28シーズンよりWEリーグ・サンフレッチェ広島レジーナに加入することが内定するなど実績を残している。


フォルツァ松本では、中学卒業後に県外の強豪校へ進学する選手が少なくない。そこには中村監督の「自分の年代では県外の高校へ進学するというのは難しかった。今はそういう時代ではない。子どもたちにはどんどんと羽ばたいてほしい」との想いがある。
その足掛かりとして春休みや夏休みを利用し、東福岡高校や前橋育英高校など他県の強豪校の胸を借りる県外遠征も行っている。県外遠征は技術面の向上だけでなく、「人のことを考えて動くことや、コミュニケーションが取れること。サッカーのプロとして社会に出てから通用する人間力を養うこと。さらに、中学年代は結果だけでなく、先を見据えた指導も重視する」というチームの指導方針を果たす上でも貴重な場となっている。

キャプテンの髙橋蓮太郎は「自分たちがサッカーをできているのは当たり前ではない。試合会場の準備に携わってくださる方々や、日ごろの生活を支えてくれる親に対する感謝の気持ちなど、このチームに入ったおかげで、本当にいろいろなことを学ばせてもらった」と成長を実感する。
11月1日、高円宮杯JFA第37回全日本Uー15選手権・北信越大会がスタート。3日に行われる2回戦に勝利すれば、来季の北信越リーグ参入が決まる。髙橋キャプテンは「北信越大会はさらにレベルが上がるので、自分たちが3年間やってきたことを発揮して、最後まで諦めずに戦いたい」と力強く語る。

【キャプテン 髙橋蓮太郎 くん】
小学生からサッカーを始め、中学1年生からフォルツァ松本に入りました。いい崩しができたり、チーム全体で攻めることができたり、練習で取り組んできたことが試合で生かせたときにサッカーの楽しさを感じます。将来の目標は、自分のプレーで誰かを勇気づけられる、感動を与えられるようなサッカー選手になることです。

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取材/児玉さつき
