地域スポーツ

【チーム岡谷 N.V RADIANCE】               全員バレーを武器に       北信越3位から全国へ 

ボールが床に落ちるその瞬間まで、誰もが必死に一つのボールを追いかける。繋がったレシーブに思いを乗せ、レフトのエースへと託す。岡谷市を拠点に活動するバレーボールチーム「チーム岡谷N.V RADIANCE(ラディアンス)」のコートには、どんな強敵を相手にしても決して諦めない、ひたむきな空気が流れている。その粘り強い全員バレーを結実させ、チームはこの8月、富山市で開催された「第39回北信越小学生バレーボール大会」で見事に3位という実績を残した。

 チームの歴史は、小学生バレーが「ミニバレー」と呼ばれた時代にまで遡る。自身も岡谷工業高校を卒業後、OB主体のクラブチームで国体などの全国舞台を経験してきた小谷益弘代表が、地域のバレー普及のために立ち上げた。指導歴40年近くになる小谷代表が最も大切にしてきたのが、基礎技術の習得だ。特に小学生年代の「ゴールデンエイジ」と呼ばれる時期は運動能力や反射神経が大きく伸びる。アタックの威力は身長に左右されやすいが、小学生年代に徹底してレシーブの基礎を教え込むと、子どもたちの飲み込みが早く、中学や高校へ進んでも通用する大きな武器になる。この代表の信念が、現在のチームの「拾いまくる泥臭いバレー」という伝統の土台を築き上げた。

 かつてここを巣立ったOGの中には、日本のトップリーグや実業団でキャプテンを務めるなど、高いレベルで活躍する選手もおり、第一線で走る先輩の存在は子どもたちの大きな憧れだ。しかし、チームが目指すのは頂点の育成だけではない。小谷代表がかつてコートで共に汗を流した仲間と今も深い絆で結ばれているように、子どもたちにもバレーボールを通じて、互いを大切に想い合える「一生の友達」を作ってほしいと願っている。

 その伝統を受け継ぐ若いコーチ陣のもと、チームは諏訪ブロック大会や南信大会での優勝を経て、北信越の表彰台へと上り詰めた。県大会の舞台ではプレッシャーに少し気後れしてしまったというが、結果は3位。そこから1か月間、選手たちは課題を克服するための練習を重ね、北信越の舞台に挑んだ。溝上和昭監督は「目標が明確だから、選手たちはつらい練習も楽しいと感じているのではないか」と語る。日頃の練習では、挨拶や練習に臨む姿勢にも気を配り、何より「心をそろえる」ことを徹底し、選手一人ひとりが「点」ではなく、繋がって1つの形になる「星座」のような結束力を目指す。北信越の準決勝では、石川県代表の川北ジュニアと対戦しフルセットの末に惜敗したものの、相手の強打を粘り強く拾う「ディグ」を連発し、会場を大きく沸かせたのも、強い結束力の賜物だ。

 8月から新メンバー4人が加わり、総勢12人の新体制となった。得意のアタックで得点を量産するキャプテンの後藤朱莉は、「練習のつらさよりも、大会で勝てたときの喜びの方がずっと勝っている」と笑顔を見せる。大舞台での気後れを克服し、自分たちのバレーに確かな実感を掴んだチーム岡谷。次なる目標は、8月に南信予選、9月に県大会が控える「全国スポーツ少年団バレーボール交流大会」での優勝と、全国大会への進出だ。星座のように心をひとつにした12人の仲間とともに、今度は全国大会出場を目指して一本のトスを繋いでいく。

【代表 小谷益弘 さん】
全日本で活躍するような選手を育てたいと同時に、バレーボールを通じて「一生の友達」を作ってほしいと願っています。この大切な時期に覚えたレシーブは一生の武器になるからこそ、チーム岡谷では基礎をしっかりと身に付ける指導を行っています。

【キャプテン 後藤朱莉 さん】
姉の影響で3年生の終わりからバレーボールを始めました。北信越大会では自分たちの強みを活かしたプレーができたと思います。新しく増えた仲間と一緒に、次の大会では全国大会出場を目指します!

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取材・撮影/児玉さつき