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【やまびこバスターズ・中学生チーム】              個の成長とチームプレーの融合

岡谷市やまびこスケートの森アイスアリーナ。ハンドリングやパス、シュートなどの基本練習から、実戦さながらのパワープレー練習まで、気迫に満ちたプレーが繰り広げられる。やまびこバスターズの中学生チームだ。

 「アイスホッケーはもちろん、それ以前の生活、人間的な成長も大切に考えている」。鶴巻雄介監督は、時間を守ること、挨拶をすること、親への感謝の気持ちを重視する。松本、塩尻、諏訪、下諏訪、さらに山梨からも選手が集まるチーム。「練習への参加は保護者の送り迎えが必須。だからこそ感謝を忘れないでほしい」と強調する。

 氷上トレーニングに加え、オフシーズンには陸上トレーニングも行う。メンバーは3年生3人、2年生7人の計10人。その半数を女子が占めるのも特徴だ。鶴巻監督が目指すのは「基本的にはみんなでパスを回して繋ぐホッケー」。キャプテンの高野有吾も「アイスホッケーの醍醐味はパスでつないでシュートを決めること。自分のパスがシュートにつながるのが楽しい」と語る。

 しかし試合では、状況に応じた判断力も必要となる。そのため「試合の流れによってベストな判断ができるように、本番を想定した練習を取り入れている」と鶴巻監督。取材日も、数的優位となるパワープレーを想定した実践的な練習が行われていた。

 昨シーズンは第31回ジュニア親善長野大会で準優勝を果たし、Uー15長野県代表選手や北信越中高生代表選手も輩出。今年5月の第20回江戸川区長杯では、昨年覇者との決勝戦を制して優勝を果たした。「10人という少人数ながら、小学生チームから一緒にやってきた仲間だから最後まで戦い抜けた」とオルタネイトキャプテンの上條仁瑛はうなずく。


 「集中力があると思う。いざという時に気持ちが入るのが今年のチームの強み」と指揮官。現在は基本的に、選手数の関係で「上越ハリケーンズ」との合同チームで各大会に参加している。「大会ごとに成長し、いいタイミングで優勝したい」。監督の言葉には、チームのさらなる飛躍への期待が込められていた。


【左/キャプテン 高野有吾さん】
父親の影響でアイスホッケーを始めました。アイスホッケーで面白いと感じるのは個人ではなくチームプレーが重要なところです。江戸川区長杯で優勝しましたが、今シーズン中に1つでも多く勝ちを取ることが目標です。

【右/オルタネイトキャプテン 上條仁瑛さん】
アイスホッケーは小学校に入る前から始めました。やまびこバスターズの良さは、小学生チームから同じメンバーとずっと一緒にプレーができることです。アイスホッケーをすることで生まれた関係性、絆を感じています。

取材・撮影/児玉さつき