SVリーグ男子のVC長野トライデンツが、クラブの姿を大きく変えた。2026年6月24日、松本市内で記者会見を開き、チーム名やロゴを刷新するリブランディングを発表した。バレーボールで国内最高峰のSVリーグ男子に参戦して3季目となる2026―27シーズン、チーム名は「信州松本トライデンツ」に改称した。2010年から親しまれた「VC長野」の名に一区切りをつけ、リスタートの大きな一歩を踏み出した。

新名称の狙いは、ホームタウンである〝松本〟を前面に出すこと。クラブは2021年に松本市とホームタウン協定を結び、2025―26シーズンはエア・ウォーターアリーナ松本で計12試合のホームゲームを開催した。それでもチーム名に「松本」が入っていなかったことなどから、中信地方での認知には課題が残っていた。
会見に出席した松本市の臥雲義尚市長は「『長野』は長野市をイメージする言葉。松本がホームアリーナで、『長野』というチーム名が壁になっていたことを、この6年間で体感した」と語った。その上で「松本から世界へ。バレーボールを通じて、大きな展開が今日をスタートにできれば」と期待を寄せた。

一方で、運営会社の本社は引き続き南箕輪村に置き、練習拠点も変えない。伊那谷で産声を上げたクラブが、北アルプスを望む松本の名を戴きつつ、信州各地に張った根をさらに太くしていく方針だ。新しいチームロゴは、三叉の槍を意味する「トライデンツ」にちなみ、「地域」「ファン」「パートナー」の三つの力を「三本の矢」で表したデザインに一新した。

コート内の変革も進む。2026―27シーズンから指揮を執るのは、ドイツ代表のアシスタントコーチを務めるトーマス・ボブ・ラーナー新監督だ。ミドルブロッカー(MB)のデイビッド・スミスや、オポジット(OP)のフィリップ・ジョンら、国際経験が豊富な新戦力も加わる。小川貴史ゼネラルマネージャーは「まずはファイナル進出だが、それは通過点に過ぎない。優勝争いに加わる挑戦を目指す」と、高い目標を掲げた。



外国籍選手を除き、選手たちはすでに、練習をスタートしている。新指揮官が掲げた規律に則り、練習の内容を「ジャーナル」と呼ぶノートに記したり、練習前にはスマートフォンをバッグにしまったり。有賀康大ストレングス&コンディショニングトレーナーは「トレーニングもチームルールも、一から作り直したい。リブランディングは良いきっかけになる」と語る。信州松本の名を背負うにふさわしいクラブへ――。新たな名を得た挑戦が、静かに動き出した。
取材・撮影/大枝令
