特集

フェンシング「保科 幸那」

ひたむきなフェンシングプレーヤーは、本当の強さを求め続ける

 ヨーロッパで発祥の剣術が原型となるフェンシング。体育館の中で響き渡る言葉はフランス語。剣の音と重なり合い何とも言えない緊張感だ。「強い選手は誰よりも努力をしています。私も今より上の順位に行くためには、その人たちよりも頑張らないと」現在中学1年の幸那さん。一昨年フェンシングの全国小学生大会で3位という好記録を収めた。「今年も全国大会は狙っていますが、まずは長野県内で誰よりも強くならないと上位に食い込めないのでもっと練習したいです」緊張した様子だがはっきりと自身の目標を語る。

フェンシングを始めたのは兄の練習についていったことがきっかけ。「初めてフェンシングを観たんですが、みんな楽しそうにやっていて何よりも格好良かった!私もやってみたいな、あの中に混ざりたいなと思いました」しかし、実際に練習を始めてみると「想像していたよりも楽しくなかったんですよね。練習も段々と行きたくなくなってきてしまって・・・」イメージしていたよりも難しいスポーツだったという。それでも決めたことはやり遂げようと地道に練習を続けていった。「やり続けていくうちにフェンシングの楽しさに気が付きました。これは考えながらプレーする側面が強いスポーツなんです。プレーしながら同時に戦略も頭の中で練っています。心理戦なんですよ。これが本当に面白い!」幸那さんの表情がパッと明るくなった。自分のことは運動神経が良い方ではないと語り「コーチからも言われていたのですが、しっかりと“考えることができる選手”が勝てるスポーツだと気が付いてからは、どんどんモチベーションが上がりました」と、身体能力たけが全てではない競技の醍醐味も述べてくれた。

幸那さんを指導する西藤(さいとう)コーチは「非常に真面目で頭の良い選手。性格は内気なのですがプレーに関してはとっても前向きです。知らないことを習得しよう、自分の中に取り込もうという気持ちが強い。この姿勢はいつか大きく実っていくと思っています」幸那さんの持ち味である、真面目さとひたむきさは話を聞くほど伝わってくる。「長野県内の大会ではどうしても1位になりたい」幸那さんが何度も口にしたこの言葉。すでに全国大会では好成績を残し、現在、中学・高校のカテゴリーでトップの部類に入る選手であることは間違いない。だが、勝ち続けたい、その為には努力するしかないという信念が日々の原動力となっているのだろう。「大会自体もそれほど多くあるわけではないんです。全国大会に出るということは、長野県を代表し参加していると私は思ってるので中途半端なことはしたくないです」競技に対する気持ちの強さは計り知れない。最後に幸那さんは「フェンシングを通じて色々なことを教えてもらっています。物事を続ける大切さや人として成長する事、勝って自信を持つことで周囲に優しくなれること。将来のことはあまり考えてないのですが、今の時点で私ができることをやり切るのみだと思っています」

真面目でひたむきな幸那さんは本当の意味での強さを身に付け始めているのかもしれない。

◆ 保科 幸那 Yukina Hoshina
中学1年
長野ジュニアフェンシングクラブ所属
兄の影響でフェンシングを始める。小学6年の時には全国大会小学生の部で3位という成績を残す。
2021年度の全国中学生大会での上位入賞を目指し練習に励んでいる。