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陣容を大きくリニューアル   「強い山雅」を取り戻すシーズンに

大幅にモデルチェンジして新シーズンに向かう。松本山雅FCはJ3で15位と過去最低の成績に終わった昨季を踏まえ、がらりとチームを刷新。歴代最多858試合指揮の経験を持つ石﨑信弘監督を迎えたほか、選手29人のうち半数以上の15人が新加入となる陣容だ。2月7日開幕の明治安田Jリーグ百年構想リーグに向け、心機一転のスタートを切った。


 67歳の石﨑監督は、過去5回の昇格経験を持つ「昇格請負人」。昨季もJ3ヴァンラーレ八戸を率い、2位に入ってクラブ初のJ2昇格に導いた。徹底的なハードワークを要求するスタイル。走り勝つ、球際で戦う、諦めない――といった要素を選手に求め、その基準をブレさせない。「相手を圧倒して走り倒すようなサッカーをやっていかなければ、山雅のサポーターの方々の期待に応えられないと思っている」。指揮官はそう力を込める。

 昨季まではルーズさを排除し切れずにいたが、大きく改善した姿が披露されることになりそうだ。実際にトレーニングも、高負荷で守備にフォーカスしたメニューがほとんど。在籍3年目のDF佐相壱明は「やりたかったバチバチ感が練習から出せているので、本当に充実している。それに尽きる」とすがすがしく汗を拭う。
 新加入選手もおしなべて期待がかかる面々だ。アビスパ福岡のDF小田逸稀、清水エスパルスのFW加藤拓己など、J1クラブから完全移籍で加わった顔ぶれは即戦力クラス。若手も年代別日本代表のFW井上愛簾(サンフレッチェ広島から期限付き移籍)、大学サッカーの名門・流通経済大でキャプテンを務めたMF渋谷諒太など、伸びしろ十分の好素材を引き入れた。
 180cm84kg屈強なセンターフォワード・加藤は「結果を出さなければ僕のキャリアは終わると思っている。このクラブで本当にJ1に上がりたい」と意欲を口にする。高卒でJ1鹿島アントラーズに入ってプロ10年目となる小田は、快活なキャラクターで早くも存在感を発揮。その一方で「ぬるい集団にはしたくないので、締めていきたい」と力強く決意を語った。
 このほかの移籍加入組もDF白井達也、MF深澤佑太、MF澤崎凌大、GK高麗稜太など、J2〜J3他クラブで主力を張っていた面々が大半。昨季も八戸で石﨑監督と共闘した白井は「変革のシーズンを引っ張っていけるような存在になりたい。(石﨑監督のサッカーを知る選手として経験を)還元しないといけないし、それも自分の責任だと思う」と力を込めた。
 チームは1月5日に始動し、23日まで松本市の信州グリーンフィールドかりがねでトレーニング。27日以降は鹿児島市でのキャンプを経て、2月7日の開幕戦を迎える。今回は秋春制移行の直前期となるため6月までのハーフシーズンで、J2とJ3のクラブを交ぜて全18試合を戦う特別大会。松本山雅はJ2のRB大宮アルディージャ、ジュビロ磐田、北海道コンサドレー札幌など格上にも挑みながら力を蓄えていく。


取材・撮影/大枝令