地域スポーツ

【VC-WEST】              「部活動」の枠を超えた受け皿へ     技術と心を育む女子バレーボールチーム

間もなく練習が始まろうという夜7時、体育館から威勢の良い挨拶が飛んできた。そして間髪入れずに一人のメンバーが飲み物まで勧めてくる徹底ぶり。女子バレーボールチームVCーWESTは、技術だけでなく「礼節」を重視しているとよく分かる取材前の一幕だった。
 同クラブは、小学生バレーの指導に長年あたってきた赤堀聡監督が中学世代のクラブチームとして約4年前に立ち上げた。その背景には、昨今の部活動における「地域移行」が本格化する以前から抱いていた、指導者としての強い危機感があった。小学校で熱心に競技に打ち込んだ子どもたちが、中学校へ進学した途端に練習量の激減に直面し、技術的に退歩していく現実。その受け皿を作り、子どもたちの情熱を途絶えさせないという使命感が、監督を突き動かしたという。

 現在は松本市の波田地区や開明小学校、塩尻市の広丘小学校と複数の拠点を持ち、週5回の頻度で練習に汗を流している。赤堀監督の指導哲学は、徹底した「基礎」と「形」へのこだわりに集約される。特に重視しているのがレシーブで、たとえ体格に劣っても粘り強くボールを繋ぎ続けることで勝機を見出すバレーを追求する。また、技術向上のみならず、人間関係の構築にも心を砕く。新人戦地区大会2位の好成績を収めたのも、キャプテンを中心に互いを認め合えるチームの空気を醸成してきた結果であろう。「今のメンバーは特に仲が良い。多感な中学生の女子たちにあって、互いにメンタル面で支え合っているようだ」と赤堀監督は評価する。


 ただ、運営には課題も少なくない。成績を残すほど「敷居が高い」というイメージを持たれ、選手募集に苦戦するというジレンマも抱えているという。実際には初心者も歓迎しているが、地域に浸透させることの難しさを実感している。
 同クラブは、地域移行によって練習環境が変化する中で、中学バレーを単なる体験で終わらせず、強豪高校でも即戦力として通用する技術を育む「育成の場」だ。ボールを全員で拾い、繋ぎ、やり返す。一人では成し遂げられない喜びを知った子どもたちが、やがて未来のバレー界を担う日もそう遠くはないだろう。

【監督 赤堀聡 さん】
目先の勝利だけでなく、高校やその先でも通用する「プレーの美しさ」や「人間力」の育成を重視しています。地域・初心者問わず、バレーを愛する子がより高いレベルを目指せる場所でありたいです。中学3年生も3月31日まではメンバーとして活動しています。高校に入ってすぐに戦力になるよう、いつでも活動できる場所と機会を提供しています。

【コーチ 柴田学 さん】
娘の入部をきっかけに、今年度からコーチを務めています。今は選手たちの目標である「北信越大会への進出」を叶えさせてあげたい一心です。彼女たちが本来の力を発揮できれば、必ず道は開けると信じています。また技術だけでなく、挨拶、礼儀、感謝、思いやりをもって、人間として成長してほしいと願っています。

【キャプテン 宮澤友彩 さん】
小学4年生からバレーを始め、現在はミドルブロッカーとキャプテンを務めています。監督から任された大役で大変なこともありますが、試合に勝てた時の喜びは格別です。最後まで諦めずにボールを拾う粘り強さがチームの武器です。大好きな仲間と全力でプレーして、北信越大会出場を必ず掴み取りたいです!

■体験、入会に関する詳細はQRからご確認ください。

取材・撮影/生田和徳