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【富士見高校・茅野高校 男子バスケットボール部】            一致団結で挑む初勝利 

7月下旬。夏休みに入り、校舎が静寂に包まれる中、富士見高校体育館には、男子バスケットボール部員たちの活気ある声が響いていた。
 現在富士見高校の部員数は10人、一方の茅野高校は各学年1人ずつの計3人。昨年、3年生が引退するタイミングで、このままでは茅野高校単独では大会への出場がかなわない。そこで、以前から交流のあった富士見高校と合同チームでの活動をスタートした。

 練習は水曜と日曜を除く週5日。うち木曜と土曜、長期休暇期間を使って合同練習を行う。富士見高校3年の大槻波琉キャプテンは「茅野高校のメンバーは、もともと対戦相手だったので、初めはお互いにとまどいもあった。それでも練習を進めながら、徐々にチームとしての一体感が生まれ、ワンチームになることができた」とチームの結束を確信する。
 富士見高校では代々「経験者でなくても、バスケットボールをやりたいという気持ちがあれば歓迎」という小池諒教諭の言葉通り、バスケットボール経験者だけでなく、未経験者の入部も多い。そのため「練習開始時には、体づくりに加え、バスケットボール特有の足の運びや使い方の習得を目指したトレーニングに1時間弱を費やしている」と茅野高校顧問の小松祥太教諭は説明する。

 中には辛いトレーニングメニューも用意されているが、どの選手も前向きに取り組み、終わった後は達成感からか笑顔さえのぞかせる。そんな選手たちを見守る小池教諭は「彼らは真面目さが取り柄。試合にはなかなか勝つことはできないが、きつい練習にもへこたれず、基本的なことにもきちんと取り組めている」と評価する。

 その地道な努力は、今年5月の南信総体で実を結んだ。「引退試合だと思って臨んだインターハイの南信予選の1回戦。阿智高校と対戦したが、今までで一番いい試合ができた。結果的には負けてしまったけれど、チームの気持ちがひとつになって、連携も生まれた」と大槻キャプテン。
 試合を見守っていたマネージャーの早出美和さんも「今までの練習の成果が出て、練習試合では歯が立たなかった相手に僅差にまで迫ることができて、本当にすごかった」と選手たちの健闘を称えた。
 「勝利までもう少し」。その悔しさをバネに、引退時期を延ばし、今は9月に開催するウィンターカップ予選へ向けて、3年生も含むメンバー全員が一丸となって練習に励んでいる。「悔いのないように。一勝でも多く!」を目標に、初勝利へ向けて全力を傾ける。

【富士見高校3年キャプテン 大槻波琉 さん】
仲間との関わりや、練習した成果が発揮できた時にバスケットボールへの楽しさを感じます。自分自身の将来の目標はスポーツ関連の仕事に就くこと、そしてバスケ部としては来年も継続できるように部員数が増えることを願っています。

【富士見高校2年マネージャー 早出美和 さん】
中学生の時はバスケ部のプレーヤーとして、高校1年からはマネージャーとして活動しています。今の3年生が卒業してしまうと、2校合わせても部員が4人だけになってしまうので、部活動を継続できるように勧誘を頑張りたいと思います。

【富士見高校 教諭 小池諒 さん】
顧問同士の共通意識として「一緒に働きたいと思える人材を育成したい」という想いがあります。バスケットボールと真摯に向き合い、仲間に嘘をつかないなど、仲間を思いやって行動できる、誠実な人に成長してもらいたいと思います。

取材・撮影/児玉さつき